
波に溺れて44年
工学部/工学研究科
水谷 法美 教授
最終更新日: 2026/02/17
「工学」は、科学を人や社会に役立つ技術へと展開する総合的な学問分野です。その対象は広く、化学、材料、電気、機械、エネルギー、建築、土木など多岐にわたっています。産業革命以降、機械化は大きく進展し、ものづくりはめざましい進展を遂げ、それにともなって人々の生活も大きく様変わりしました。一方、現在に至るまでに地球環境問題や化石燃料や資源の大量消費と枯渇などの問題もクローズアップされています。また,工学の担う範囲は、従来の分野だけでなく、医療や創薬、エネルギーや環境,あるいは防災など、大きく広がってきています。最近では、人工知能の急速な高度化が、近い将来、人々の生活や社会構造を大きく変えようともしています。このような情勢の中で、より高いレベルで「工学」を修め、直面する課題に果敢に挑戦し、持続可能な社会の実現に「工学」から貢献することを目指していただきたいと願っています。緑あふれる本学で私たちと共に「工学」を学び、工学分野で「勇気ある知識人」として、人類・社会の将来の発展のために活躍して下さい。
工学部/工学研究科長の鈴木達也教授に5つの質問に答えていただきました。
1. 工学部/工学研究科の強み(醍醐味)を教えてください。
工学は社会課題の解決を目的とした学問領域の集合体です。その意味で工学部・工学研究科では産業界や国との強固な連携、あるいは他領域・他部局との学際的な連携を積極的に進めています。東海地域が世界有数の産業集積地であることを考えた時、産学連携において本学の工学部・工学研究科が果たすべき役割は極めて大きいと言えます。例えば、半導体、低温プラズマ、量子技術、データ駆動型材料開発、航空宇宙、モビリティ、核融合、防災・減災など、工学研究科にはすでに社会的に高いレベルで認知されている課題解決型の研究領域が数多く存在しています。こういった最先端の課題解決型研究に携われる点が工学部・工学研究科の醍醐味と言えます。
2. 工学部/工学研究科の学生に大学生活を通じてどんな風に育ってほしいですか。
何事にも失敗を恐れず、挑戦するマインドを持ってほしいと思います。口で言うほど簡単なことではありませんが、若い学生一人一人が社会の課題に対して敏感になり、それを解決するために自分に何ができるかを真剣に考えてほしいと思います。ここ数年、いろいろな意味で日本の国力低下が叫ばれています。広く海外にも目を向けて、今日本に何が求められているかを真剣に考えてほしいと思います。もちろん答えは一つではありません。その中で自分が貢献できそうな役割をぜひ見つけてほしいと思います。
3. 工学部/工学研究科のビジョンを教えてください。
社会課題解決の中核を担うべく、今まで以上に産学連携の強化、スタートアップの増加をめざします。特に研究のみならず人材育成まで含めた組織的な産学連携にとりくみ、我が国の産業競争力の強化に貢献します。スタートアップについては、教員のみならず大学院生にもチャンスがあればぜひ前向きに挑戦していただき、そういった挑戦をできる限りサポートしたいと思います。また、工学部・工学研究科の強みである多様性を活かして、講座や専攻の枠にとらわれず異分野間の連携を加速させます。これにより解決できる社会課題の範囲を飛躍的に広げます。さらには様々な国際化推進プログラムを実行し、海外のパートナー大学との連携を図ることで国際的な産学連携拠点の確立をめざします。
4. 鈴木先生ご自身が学生だった時、印象的な授業はありましたか。
大学院生時代、制御工学関係の研究テーマに携わることになったのですが、当時私が所属していた専攻では制御工学に関する最先端の知識を得る機会には恵まれませんでした。そこで、他研究科にみえた制御工学の専門家の方の講義を恐る恐る受講したのですが、その方が講義の冒頭で述べた言葉が「私の講義方針は制御の初心者でも本質が理解できるような講義をすることです」でした。実際に確かにその通りで、非常に難解な概念や数式を、わかりやすい言葉で順序だてながら丁寧に教えていただき、毎回目からうろこが落ちる気持ちになったことをよく覚えています。その方の言葉は、今でも私が講義する際のポリシーとなっています。
5. 工学部・工学研究科への入学希望者に向けてメッセージをお願いします。
東海地域には多くの産業が集積していることは冒頭で述べたとおりです。昨今、多くの企業が技術者の獲得に必死になっています。これは我が国の競争力の源が技術力にあることの証左とも言えるでしょう。本学の工学部・工学研究科を卒業した学生は多くの企業で中心的役割を果たして活躍しています。その意味では、工学部・工学研究科は皆さんが将来飛躍するためのゲートウエイとも言えるでしょう。ぜひ、本学の工学部・工学研究科に入学いただき、新しい未来を創造する理系人材へと育ってほしいと思います。そんな皆さんの成長を教職員一同全力でサポートします。
(令和8年6月5日)