情報デバイス工学特論-2011

講師中里和郎 教授
開講部局工学部/工学研究科 2011年度 前期
対象者工学研究科電子工学分野博士前期課程1年 (2単位週1回全15回)

授業の目的とねらい

  1. 情報処理に利用される電子デバイスの役割と、最新の CMOS テクノロジーの動向を把握する。
  2. CMOS デバイスの構造と動作原理を基礎から復習し、素子の動作を明確に理解する。
  3. CMOS 集積回路の設計法を学ぶ。

授業の工夫

現在の電子機器はシリコン集積回路(IC:Integrated Circuit)で成り立っています。 その主流は CMOS 集積回路で、半導体集積回路の 90%以上を構成しています。 CMOS 集積回路を理解すれば、電子機器を思うように使いこなしたり、自分用の電子機器を設計したり、将来の技術革新を予測したりすることができるようになります。 シリコン集積回路は半世紀に亘って、多くの研究者・技術者が結集して育ててきたため、広大な分野になっています。 本講座はその基礎となる概念を理解することを目標としました。 本講座の内容を習得すれば CMOS 集積回路について自信を持って接することができるようになるでしょう。

達成目標

  1. 情報処理に利用されるデバイスとして、CMOS デバイスの利点と課題を判断できる。
  2. CMOS デバイスの素子構造から動作特性が理解できる。
  3. CMOS 集積回路の設計法が理解できる。

バックグラウンドとなる科目

  • 半導体工学
  • 電子回路工学
  • 電気物性基礎論

教科書

講義録による。

参考書

講義において随時提示。

授業内容

  1. CMOS 集積回路概観
  2. CMOS 基本特性とシミュレーション技術
  3. CMOS 基本回路
  4. CMOS ロジック集積回路
  5. CMOS アナログ集積回路
  6. CMOS スイチット・キャパシタ集積回路
  7. CMOS メモリ集積回路

質問への対応

講義の時間に自由に質問を受け付けるほか、メール等でも質問を受け付ける。

課題

レポートに CMOS 基本回路 60 題を示しました。回路において基本回路を徹底的に解析して理解することが最も重要です。回路は理詰めで作られており、1つとして無駄な要素はありません。特に基本回路は徹底的に考え抜かれており、囲碁の定石とも言えるものです。回路を暗記したり、シミュレーションで済ませるのではなく、紙と鉛筆で根気良く解析することが重要です。1つ1つその動作を丹念に手解析することにより、回路に対するセンスが磨かれ、新しい回路を考案することも可能になるでしょう。

講義ノート

第 1 回

第 2 回

第 3 回

第 4 回

第 5 回

第 6 回

第 7 回

第 8 回

第 9 回

第 10 回

第 11 回

第 12 回

第 13 回

第 14 回

成績評価

各人異なる課題に対してレポートを提出。


投稿日

May 14, 2020