
東アジア・東南アジアと国際人権
法学部/法学研究科
小畑 郁 教授
最終更新日: 2026/01/25
名古屋大学法学部は、1948年9月、旧制名古屋大学法経学部の法律・政治両学科として生まれました。翌年5月には、新制名古屋大学法経学部が設立され、その後、1950年4月に法経学部が法学部と経済学部に分離されました。
1953年4月になって、新制の大学院法学研究科が設置され、現在の組織ができあがりました。2004年4月には、法科大学院(法学研究科実務法曹養成専攻)を開設しています。
名古屋大学そのものが、最後の帝国国立大学として設置されたため、他の国立大学の法学部・法学研究科と比べると、学生数も、教員数も、最も少ない部類に入っています。それでも、経済、法曹、行政の分野に優位な人材を多数輩出してきています。
これが可能となったのも、「自由」「闊達」「進取」という気風が維持されてきたからであると思えます。名古屋大学は、「自由」「闊達」な学風を掲げてきており、法学部・法学研究科は、これに「進取」を加えることで、自ら進んで物事に取り組む姿勢を重視しています。
もちろん、このような学風は自然に維持されるものではなく、歴代の学生、教職員の志と努力によって維持されているものです。学生として、あるいは別の立場としてであれ、志を同じくして、できる範囲での努力を惜しまない皆さまの参画を大いに期待したいと思っています。
法学部長・研究科長として、一緒に走ってくださる教職員とともに、「ぼちぼちいこか」という気持ちを忘れず、自分たちらしく教育と研究に励んでいきたいと思います。
法学部・法学研究科長の横溝大教授に5つの質問に答えていただきました。
1. 法学部・法学研究科の強み(醍醐味)を教えてください。
日本の法学部は、裁判官・検察官・弁護士といった法曹を養成するだけの場所ではありません。社会の様々な分野において、法的思考を身に着けた人材が活躍することを目指しており、法学だけではなく、政治学も学ぶことが出来ます。
名古屋大学法学部・法学研究科の強みは、アジアとの交流を特徴としたその国際性にあります。本研究科は、これまで東南・中央アジアの国々を中心に、長年法整備を支援する事業を行って来ており、そのため、日中韓シンガポールを対象としたキャンパス・アジア・プラス等、交換留学プログラムを始めとして、留学の機会、留学生との交流の機会が多くあります。また、内外のインターンシップや交渉・仲裁コンペティション、香港での国際模擬仲裁等、実務との連携を図った教育が提供されているのも強みの一つです。
尚、大学院には、法曹を目指す方のための法科大学院と、法学・政治学について専門性を身に着け研究を深めるための総合法政専攻があり、さらなる学修の機会を提供しております。
2. 法学部・法学研究科の学生に大学生活を通じてどんな風に育ってほしいですか。
学生の方には、国境を越えて生じる問題も含め、社会の様々な事象に、特にその制度的な側面に関心を持つようになって頂きたいです。
また、社会が変化していくに従い、法の規定は改正されて行きますので、現在の法規定を覚えるのではなく、寧ろ、何を目指してこのような規定が出来たのか、また、どのくらい上手く機能しているのかといった点を考え、法と社会との関係を考えるようになって頂きたいです。
さらに、法の解釈は一通りではなく、条文には様々な解釈があること、現在の社会問題を解決するためにはその中でどの解釈が最も適切かを議論することを通じて、複眼的な思考を養って頂きたいと思っております。
3. 法学部・法学研究科のビジョンを教えてください。
法学部・法学研究科のビジョン・教育目標は、以下の3つです。
第一に、学生がグローバル化社会に通用する法律学・政治学の総合的な知識を、論理的に体系づけて修得することです。
第二に、学生が、大局的見地に立ってものごとを総合的に判断し、的確な価値判断・意思決定を行う能力を身につけることです。
第三に、学生が、現代社会のさまざまな問題に積極的に関わり、専門分野の知見に基づいてその解決に寄与する能力を身につけることです。
4. 横溝先生ご自身が学生だった時、印象的な授業はありましたか。
印象的だったのは、私の指導教官だった、石黒一憲教授の国際私法の授業です。先生は、俳句もお詠みになられたのですが、毎回の授業の冒頭で、現代俳句の一つを黒板にお書きになって授業を始められました。また、非常に熱の籠った講義をなさる方で、雷が鳴った時には、俺の時代が来た!と叫ばれたこともありました。早口で情報量の多い、レヴェルの極めて高い講義で、殆ど理解出来ませんでしたが、学識と熱量に圧倒され、深く感化されました。
5. 法学部・法学研究科への入学希望者に向けてメッセージをお願いします。
法学部・法学研究科では、社会を支える法制度のあり方やその成立・発展の過程について、社会的背景の異なる色々な国からの留学生と一緒に学ぶことが出来ます。社会の制度的側面に関心をお持ちの方、また、国際的な舞台での活躍を志す方は、是非法学部・法学研究科にお越し下さい。教員一同、お待ちしております。
(令和8年5月20日)