20 世紀に生まれ育った私たちにとって、21 世紀は夢の世界でした。鉄腕アトムのようなロボット、宇宙旅行、スーパーカー、癌の撲滅などバラ色の世界を予想していました。実際、少し前には夢のように思われていたことが実現し、私たちの暮らしを大きく変えたものもあります。たとえば、小型の携帯電話で世界中に旅行しても電話ができるといったことは今では当たり前のことになりましたが、全国のどこへでも電話交換手を使わないで電話できるようになったのは、1979 年のことでした。ごくわずかのうちに、社会は大きく変わりました。夢に向かっての科学者や技術者たちの努力が形になってきたわけです。
ただ、夢見たはずの 21 世紀に入ってすでに 10 年がたちましたが、日本はもちろん、世界各国も様々な問題に苦しんでいます。そのため、多くの人たちが将来への夢を失っているようです。たとえば、内閣府が実施している世論調査では、「将来の生活が良くなる」と楽観的な見方をしている人は、1970 年ごろには 40%近くだったのに、今や 10%を切っています。逆に悲観的な見方をする人は、かつては 10%以下だったのが、今は 40%近くになっています。
しかし、悲観するだけでは、将来は切り開けません。20 世紀の私たちがそうであったように、「夢を追いかける勇気があれば、すべての夢は実現できる」(ディズニーの創始者ウォルター・ディズニーの言葉)と信じて、夢を抱いて前に進んでいこうではありませんか。
そこで、今年度の公開講座では、20 世紀が夢見ていたことが現在どの程度まで実現できたのかを振り返りながら、今、科学者は何を夢見て研究を進めているのか、そうした研究が未来をどのように切り開いていくのかなどについて、様々な分野の最先端で研究をしている名古屋大学の研究者に語っていただくことにしました。
第 1 回
- 開講日程:7 月 3 日(日)
- 講演題目:平成 23 年度ラジオ放送公開講座の開講にあたって
- 講演者名:理事(産学官・社会連携・国際学生交流関係担当)・副総長 宮田隆司
- 講演題目:生涯学習の過去・現在・未来
- 講演題目:名古屋大学オープンキャンパスについて
- 講演者名:理事(総務・入試・学生支援関係担当)・副総長 杉山寛之
第 2 回
- 開講日程:7 月 10 日(日)
- 講演題目:コンピュータとの対話
- 講演題目:第 15 回名古屋大学博物館特別展『深海の生物と古生物—知多の化石から生きているウミユリまで—』
第 3 回
- 開講日程:7 月 17 日(日)
- 講演題目:「人間は、なぜ、そう感じ、考え、行動するのか」—1 ミリの動物から脳の不思議に挑戦
- 講演題目:素粒子宇宙研究棟など新館完成とノーベル賞展示室リニューアルオープン
第 4 回
- 開講日程:7 月 24 日(日)
- 講演題目:グローバル時代の物流・ロジスティクス・サプライチェーン
- 講演題目:日本法を学び母国に貢献—日本法教育研究センターの海外人材育成—
第 5 回
- 開講日程:7 月 31 日(日)
- 講演題目:「時空の抜け道」ワームホールは実在するだろうか?
- 講演題目:太陽風観測施設の一般公開
第 6 回
- 開講日程:8 月 7 日(日)
- 講演題目:17〜19 世紀東アジアにおける漂流民
- 講演題目:名大の授業
- 講演者名:OCW 委員長・理事(教育・情報関係担当)・副総長 山本一良
第 7 回
- 開講日程:8 月 14 日(日)
- 講演題目:夢の 3D テレビ
- 講演題目:名古屋大学の産学官連携について
- 講演者名:産学官連携推進本部副部長 笠原久美雄 教授
- 講演題目:テクノ・フェア名大 2011『名大もの作り最前線 —創造から技術へ—』
第 8 回
- 開講日程:8 月 21 日(日)
- 講演題目:がんを切らずに治す
- 講演題目:名大病院の紹介・総合診療科って何を診てくれるところ?
第 9 回
- 開講日程:8 月 28 日(日)
- 講演題目:大地震の発生予測を目指して
- 講演題目:名古屋大学から Nagoya University へ
第 10 回
- 開講日程:9 月 4 日(日)
- 講演題目:食料生産の過去・現在・未来 —お米の研究から第二の「緑の革命」を目指す—
- 講演者名:生物機能開発利用研究センター 北野英己 教授
- 講演題目:第 7 回名古屋大学ホームカミングデイ(創基 140 年)の開催
- 講演者名:ホームカミングデイ実行委員会・理事(総務・入試・学生支援関係担当)・副総長 杉山寛之