パターン認識及び演習-2011

講師石井健一郎 教授
開講部局工学部/工学研究科 2011年度 前期
対象者工学部情報工学コース3年生 (3単位週1回全15回)

授業の内容

音声、画像、文字などを高精度で認識するパターン認識技術の基本的な考え方、識別理論、学習理論およびそれらのアルゴリズムを習得する。さらにコンピュータを用いた演習で具体的な問題を解き、理解を深めるとともに実際の場で本技術を適用できる応用力を身につける。達成目標は以下の二点である。

  1. パターン認識の基本概念を理解し、説明できる
  2. 識別、学習のアルゴリズムを用いて具体的な問題を解ける

授業の工夫

文字、画像、音声等を認識できる知的機械を実現するための技術がパターン認識です。本授業では、その基盤となっている識別理論や学習理論を学びます。パターン認識を身近で役に立つ道具として習得できるよう、授業では次のような工夫を施しています。

  1. 講義に対する理解を深めるため、演習を実施しています。演習は、課題を手計算で解くタイプのものと、コンピュータプログラムで解くタイプのものの二種類を用意しています。前者は一時限目(講義)に、後者は二時限目(演習)に実施しています。

  2. なるべく具体的なイメージが掴めるような課題とするため、演習では受講者が講義時間中に筆記した手書き文字データを使用します。

  3. 毎回講義の途中で、パターン認識の応用事例や関連技術を、視聴覚に訴えるデモで紹介します。

  4. 講義を数回終えた時点で授業評価のアンケートをとり、受講者からの要望や改善点を後半の授業に反映します。

バックグラウンドとなる科目

確率・統計および演習

授業内容

  1. パターン認識系の構成,特徴抽出と特徴ベクトル
  2. プロトタイプと最近傍決定則,線形識別関数
  3. パーセプトロンの学習規則,重み空間と解領域
  4. パーセプトロンの収束定理,次元数と学習パターン数
  5. 多数決法,区分的線形識別関数
  6. Widrow-Hoff の学習規則,重回帰分析
  7. 誤差評価とパーセプトロン
  8. 誤差逆伝播法,ニューラルネットワーク,特徴の評価
  9. 特徴空間の変換,Fisher の方法
  10. K-L 展開
  11. 経験確率と主観確率,ベイズの定理
  12. ベイズ更新,ベイズ推定
  13. ベイズ決定則,ベイズ誤り確率
  14. 最尤法によるパラメータ推定
  15. 試験

履修条件・注意事項等

線型代数、確率・統計の知識をしっかり身につけておくこと。 演習では、コンピュータシミュレーションを行うので、プログラミングについてもある程度のスキルが必要となる。

教科書

わかりやすいパターン認識:石井健一郎他(オーム社)

その他適宜資料を配付する。

参考書

認識工学:鳥脇純一郎(コロナ社)

講義資料

講義スライド中の図面の一部は、
石井健一郎,上田修功,前田英作,村瀬洋:わかりやすいパターン認識,オーム社 (1998).
から抜粋しています。

第 1 回

第 2 回

第 3 回

第 4 回

第 5 回

第 6 回

第 7 回

第 8 回

第 9 回

第 10 回

第 11 回

第 12 回

第 13 回

第 14 回

第 15 回

演習資料

演習初回資料

課題 1

課題 2

課題 3

課題 4

課題 5

課題 6

試験問題

期末試験問題

成績評価

達成目標に対する評価の重みは同等である。
期末試験 50%、演習課題レポートを 50%で評価し、100 点満点で 60 点以上を合格とする。


投稿日

May 10, 2020