教職員学生と学んだ伝熱・燃焼研究の38年

2014年度 退職記念講義

講師山下博史 教授
開講部局工学部/工学研究科
日時2015/3/6 15:00-
場所2号館南館4階 241講義室
講師山下博史 教授
開講部局工学部/工学研究科
日時2015/3/6 15:00-
場所2号館南館4階 241講義室

教職員、学生と歩んだ伝熱・燃焼研究の 38 年

私は 1977 年 4 月に助手に採用されて以来、38 年間の永きにわたり、名古屋大学で教育・研究に携わることができました。これもひとえに一緒に学び、考え、躓きながらも歩み続けていただいた教職員および学生たちのおかげです。

研究では、伝熱工学と燃焼工学の様々な課題を取り上げ、学生たち一人一人にできるだけ自由に選ばせることを心がけました。毎週のセミナーや研究打ち合わせでは、思い通りの結果でないことを悔やんでいる彼らを「苦労して得た成果をありのままに信じよう」と励ましながら、一緒にその中に含まれる真実を探し、次のステップを考えるのが楽しみでした。

この 38 年間、もっぱら伝熱・燃焼の基礎研究を行ない、応用をあまり気にせずに、自分が興味を抱く「現象の物理」の解明にしか取り組んできませんでした。結果として、多額の研究資金を得ることができず、大学にこの面では貢献できなかったと思いますし、一緒に歩んでくれた教職員、学生には負担を掛けることになったと思います。

私の学生時代には大学紛争もあり、教員になってからもいろんな面で自由な時代でした。法人化以来、大学も財政的な資金面で縛りが強くなり、自由な教育・研究に取り組むことや、自由な考えを社会に発信することが困難な社会情勢になってきていることが懸念されます。このような時代においても、皆様がご活躍、ご発展されんことを心から祈念しています。

永い間、大変お世話になりました。

講師紹介

山下 博史 (やました・ひろし) 大学院工学研究科 機械理工学専攻教授

学歴

  • 1972 年 名古屋大学 工学部 機械工学
  • 1977 年 名古屋大学大学院 工学研究科 機械工学 博士課程

職歴

  • 名古屋大学助手 (工学部) に採用, 1977 年 04 月 ~ 1979 年 03 月
  • 名古屋大学講師 (工学部) に昇任, 1979 年 04 月 ~ 1983 年 05 月
  • 名古屋大学助教授 (工学部) に昇任, 1983 年 06 月 ~ 1997 年 03 月
  • National Institute of Standards and Technology (NIST, USA) 交換研究員 (3 年 9 月まで), 1990 年 09 月 ~ 1991 年 09 月
  • 名古屋大学大学院助教授 (工学研究科) に配置換, 1997 年 04 月 ~ 1998 年 03 月
  • 名古屋大学大学院教授 (工学研究科) に昇任, 1998 年 4 月 〜

学内兼務職

  • 名古屋大学, 工学研究科教務委員会 特別委員, 2007 年 04 月 ~ 2009 年 03 月

取得学位

  • 工学博士, 名古屋大学, 課程, 1978 年 05 月

研究分野を表すキーワード

  • 環境工学一般, 伝熱, 熱工学一般, エネルギー工学一般, 燃焼学, 数値解析、近似法, 流体力学一般

所属学会等

  • 日本機械学会 本部評議員, 代表会員, 2013 年 04 月 ~ 2014 年 04 月
  • 日本燃焼学会 編集委員会委員, 2004 年 04 月 ~ 2007 年 03 月
  • 日本伝熱学会 本部評議員, 1994, 1995, 1999, 2000, 2001
  • 東海流体熱工学研究会 会長, 2008 年 04 月 ~ 2009 年 03 月
  • 日本機械学会 能力開発促進機構 計算力学技術者認定事業委員会 燃焼流 WG 主査, 2008 年 04 月 ~ 2011 年 03 月

講義資料

教職員学生と学んだ伝熱・燃焼研究の 38 年

講義ビデオ

最終講義ビデオを見る (新しいウインドウが開きます)(1:34:32)

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投稿日

April 13, 2020