流砂の水理

2014年度 退職記念講義

講師辻本哲郎 教授
開講部局工学部/工学研究科
日時2015/3/17 16:00-17:30
場所環境総合館1階 レクチャーホール
講師辻本哲郎 教授
開講部局工学部/工学研究科
日時2015/3/17 16:00-17:30
場所環境総合館1階 レクチャーホール

名古屋大学定年退職にあたって

先週は卒論・修論の研究発表・審査、今週には博士論文公聴会・審査、大学教員としての最後の大事な仕事に望んで、想像してなかった感慨がある。学生生活とともにスタートした京大、初めての雪国の金沢大、そして名大と概ね 1/3 ずつ、またこの間、スイス工科大ローザンヌ校に 1 年招へいされ、東大に 3 年間併任して研究や学生指導を経験した。学生時代を含めて機関や学生の気質が異なっても、真摯に現象を見つめ、自ら研鑽する努力の流れに身をおくことができた。専門分野の特徴として、自然現象を理解し、その機能に人間とのかかわりを見出し、それを制御する技術を産み出し、さらにそれが進められる仕組みについては、学を越えて官・民と連携していく中で、大学は多くの人と交わる拠点となった気がする。

工学の教育では、基礎科目から専門科目への切れ目ない流れを学生に提供することを大事にしてきた。技術はしばしばマニュアル化して基礎から遊離しがちであることに憂慮したのである。基礎をすっ飛ばして技術を学んでも現場対応は出来るのだが、大学を出た技術者は何を身につけて、社会でどういう役割をするかが大事なところだ。基礎の論理の流れこそ、大学でコースワークされねばならないし、それに加えて自らも継続的に体系化された学術を身につけていくべきなのだが、現代の風潮にはどうも合わないのかが気がかりだ。

講師紹介

辻本 哲郎 (つじもと・てつろう) 工学研究科教授

学歴

  • 1973 年 京都大学 工学部 土木工学
  • 1978 年 京都大学大学院 工学研究科 土木工学 博士課程

職歴

  • 京都大学工学部助手, 1978 年 04 月 ~ 1984 年 03 月
  • 金沢大学工学部助教授, 1984 年 04 月 ~ 1997 年 06 月
  • スイス連邦工科大学ローザンヌ校招聘教授, 1987 年 03 月 ~ 1988 年 02 月
  • 名古屋大学大学院工学研究科助教授, 1997 年 06 月 ~ 1998 年 11 月
  • 名古屋大学大学院工学研究科教授, 1998 年 12 月
  • 東京大学大学院工学系研究科教授, 2002 年 04 月 ~ 2005 年 03 月

取得学位

  • 工学博士, 京都大学, 課程

研究分野を表すキーワード

河川, 水理, 乱流, 流砂, 移動床, 植生, 生息環境, 生態系, 水防災, 洪水危機管理, 水資源管理, 流域管理

専門分野

水工学

所属学会等

  • 国際水理学会(International Association for Hydraulic Research) Fluvial Hydranlics Committee, Ecohydraulics Section Committee, 1995 〜 2003, 2005 〜
  • 土木学会 水理委員会河川部会長, 水工学委員長, 1998 〜 2000, 2005 〜 2007
  • 応用生態工学研究会 理事, 交流委員長, 副会長, 1997 〜 98, 1999 〜 2000, 2006 〜

講義ビデオ

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講義資料

(最終講義配布用) 流砂の水理

後輩へのメッセージビデオ


投稿日

May 02, 2020