EPMAが拓いた岩石学

2011年度 退職記念講義

講師鈴木和博 教授
鈴木和博 教授
開講部局その他
日時2012/3/10 15:30-17:00
場所環境総合館1階レクチャーホール
鈴木和博 教授
講師鈴木和博 教授
開講部局その他
日時2012/3/10 15:30-17:00
場所環境総合館1階レクチャーホール

年代測定総合研究センターに勤めて

年代測定総合研究センターで12年、理学部/理学研究科で21年、大学院・研究生を合わせると都合39年間も名古屋大学に在籍しました。この間における多くの人々との出会いとさまざまな出来事のすべてに感慨を憶えます。なかでも、私の転換点になったのが2000年のセンターへの配置換えでした。

理学部/理学研究科では地質調査に軸足を置いて岩石の成因の解明に携わり、その一環でEPMAを使ったCHIME地質年代測定法を開発しておりました。この年代測定の開発が配置換えの契機ですが、私自身は必然的に岩石学から分野融合へと展開しました。大学の中で異質な分野に堂々と挑戦できる機会を得たのです。センター内あるいはCOE「同位体が拓く未来」において、碇石の産地同定に基づく元寇船の造船地、地名・地変を利用した内陸巨大地震の解析、大垣市金生山の赤鉄鉱鉱床と古代製鉄、里山からキツネが消えた日、紙の地球科学的編年などの共同研究を実施して、実に多くの収穫がありました。今世紀になってから、CHIME法が高空間分解能な地質年代測定法として国際的に評価され、諸外国との多くの共同研究と激しい競争が同時に進んでいます。ブレークスルーの新手法を創案して手作りで実証するのは苦でもあり楽しみでもありました。これを支えていただいた多くの先生、先輩、同僚や学生の皆様に感謝申しあげます。名古屋大学の益々の発展を心よりお祈りいたします。

講師紹介

鈴木 和博(すずき・かずひろ)年代測定総合研究センター教授

学歴

  • 1970年 愛知教育大学 教育学部 小学校教員養成課程 卒業
  • 1976年 名古屋大学大学院 理学研究科 地球科学 博士課程 単位取得満期退学

職歴

  • 東京学芸大学助手 1977年04月
  • 名古屋大学理学部助手 1979年04月
  • 名古屋大学理学部助教授 1983年08月
  • 名古屋大学理学部教授 1995年04月
  • 名古屋大学大学院理学研究科教授 1996年04月

取得学位

  • 理学修士 名古屋大学 課程
  • 理学博士 名古屋大学 課程 1978年08月

専門分野

  • 岩石・鉱物・鉱床学
  • 地質学

受賞学術賞

  • 日本地質学会賞 2004年09月19日 日本地質学会
  • 吉林大学名誉教授 , 2005年11月25日 中国、吉林大学
  • Gondwana Research 2008 Best Paper Award 2009年10月03日 International Association for Gondwana Research
  • 日本地球化学会賞 2010年09月08日

所属学会

  • 日本地学教育学会
  • 日本地球化学会
  • 日本地質学会
  • 日本岩石鉱物鉱床学会 評議員 1997-1999,2002-2009
  • 日本粘土学会

講義資料

EPMAが拓いた岩石学

参考資料


投稿日

May 16, 2020