線形代数学I

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講師柳浦 睦憲 教授
開講部局教養教育院 2025年度春学期
対象者情報学部1年生

授業の目的 

「線形性」は近代科学における数量的取り扱いの最も基本的な概念であり,あらゆる分野で用いられます。その線形性を数学的に扱う手法が線形代数学です。本科目は通年講義の前半として,行列・(数)ベクトルの数学的取り扱いに習熟し,諸概念を理解することを目的とします。特に座標幾何学(平面・立体)による幾何学的理解,連立一次方程式の解法への習熟,行列式の概念の理解を重視します。

授業の達成目標

行列の数学的取り扱いに習熟し,諸概念を理解します。特に,座標幾何学(平面,空間)による幾何学的理解,連立一次方程式の解法への習熟,行列式の概念の理解を重視します。

授業の工夫

一般的な定義だけではわかりにくいことが多いので,授業ではできるだけ具体例を示すようにしています。スクリーンに映している講義ノートに,タブレットを用いて手書きで追記することで。また,演習では,具体的な計算法を学ぶだけでなく,論理的思考力が身につくよう,基本的な性質の証明にも取り組んでもらうようにしています。

授業の内容や構成

授業内容は主に以下の項目より担当教員が適宜取捨選択します。実際の講義予定は別に提示します。

1. 空間図形(空間内の平面と直線)
 空間内の基本的な図形である直線,平面の方程式や方向ベクトル,法線ベクトルなどを通して,方程式に対する幾何的感覚を養います。
(基本)直線の方程式,平面の方程式,方向ベクトル,法線ベクトル,内積
(応用発展)外積,空間ベクトルの線形結合・線形独立性,球面の方程式

2. 行列
 行列の基礎概念を理解し,その演算に習熟します。
(基本)行列の演算,単位行列,正則行列,逆行列,対角行列,転置行列
(応用発展)三角行列,行列のブロック分割,対称行列,直交行列

3. 行列の基本変形と連立一次方程式
 行列の基本変形により階数の概念を理解し,連立一次方程式の掃き出し法による解法との関係を理解します。また,正則行列の判定と逆行列の計算法にも習熟します。
(基本)連立一次方程式,基本変形,拡大係数行列,行列の階数,解の自由度,逆行列の計算
(応用発展)連立一次方程式の解の構造と幾何学的意味

4. 行列式
 行列式の基本性質,幾何的意味を理解し,行列式の計算に習熟します。また,行列の正則性と行列式の関係などについて学びます。
(基本)行列式の基本性質,小行列式,行列式の展開
(応用発展)余因子と逆行列,クラメールの公式

教科書

教科書は指定しないが,講義資料を配付する

参考書

必要に応じて講義中に紹介する

本授業に関するWebページ

http://www.co.mi.i.nagoya-u.ac.jp/~yagiura/senkei-daisu1/index.html

講義資料

講義資料の一部(第2章)を紹介します。

講義資料(第2章,コメントなし)
講義資料(2.1節,コメント入り)
講義資料(2.2節,コメント入り)
講義資料(2.3節,コメント入り)
講義資料(2.4節,コメント入り)



クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
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投稿日

October 07, 2025