講師 | 加藤 靖恵 准教授 |
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開講部局 | 文学部/人文学研究科 2020年度春学期金曜3限 |
対象者 | 文学部2・3・4年生 |
本講義の目的は、18世紀から19世紀末までのフランス文学主要な作品のうち、ロマン主義に関わるものを取り上げて、考察することです。目標は文学と芸術(音楽、美術、建築)についての考察を深め、同時にフランス文学史についての知識を修得することにあります。
文学作品を通して、フランス文化の様々な側面を概説します。フランス語未履修者にも日本語訳には表れない原文のニュアンスがわかるように説明します。毎年テーマ設定を変え、視聴覚的資料(美術、音楽、映像など)を積極的に取り入れています。
ロマン主義とはなにか、考察を深めます。関連するフランス文学の作品を取り上げ、作品の特徴や時代背景を説明して文学史の知識を習得した上で、特徴的な箇所を鑑賞します。また関連する絵画、音楽、建築等の芸術の各ジャンルとの連動についても解説します。
主に扱う主題は以下の通りです。
ブリュノ・ヴィアール『100語でわかるロマン主義』白水社のロマン主義の7つの課題について、『赤と黒』、『ボヴァリー夫人』を例に具体的に考察します。
ベルナルダン・ド サン=ピエール『ポールとヴィルジニ』自然描写と純愛物語
第3回:『ポールとヴィルジニ』の自然描写と死の場面におけるルソー『新エロイーズ』の影響、ラマルチーヌの『湖』の比較
第4回:スタール夫人 『ドイツ論』
第5回:シャトーブリアン1 『キリスト教精髄』のフランスの森、『アタラ』の新大陸の森、スタール夫人のドイツの森の描写との比較
第6回:シャトーブリアン2 『ルネ』ロマン主義の典型的主人公、ラマルチーヌの詩とロマン主義
第7回:ユゴー 『クロムウエル序文』ロマン主義宣言
第8回:ユゴー 『クロムウェル序文』続き、「メランコリー」の定義とキリスト教、グロテスクについて、ゴシック教会の怪物の彫像と『ノートルダムドパリ』のカジモドの肖像、『クロムウェル序文』、革命・政治、マクロン首相のメッセージとのレトリック的共通性、『エルナニ』古典主義の反する新しい演劇と当時の反応
第9回:ユゴー、聖なるものとグロテスク、『レ・ミゼラブル』における光と影
第10回:ロマン主義の詩、ユゴーの作品数点とヴィニーの「狼の死」(自然と人間のテーマ)
第11回:ヴィニー『軍隊の服従と偉大』
第12回:ナポレオンとロマン主義の作家たち2、ミュッセ『世紀末児の告白』
第13回:ミュッセの戯曲『ロレンザッチョ』、ミュッセの詩について、『五月の歌』歌曲ヴァージョン鑑賞
第14回:ロマン主義への反動、高踏派、ゴーチェ『モーパン嬢』序文、ゴーチエ、ルコント・ド・リールの詩
第15回:象徴主義への継承、ボードレール、象徴とは何か、詩人像の変化?
ロマン主義絵画擁護者としてのボードレール(ドラクロア論を中心に)
決められたテーマについて半年に最低1回の研究発表が義務づけられています(10分程度)。
授業への取り組み(口頭発表、授業最後に書く小レポート)50%+レポート試験50%(60点以上を合格とします)
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January 27, 2023