電子の波に乗った30年

2014年度 退職記念講義

講師丹司 敬義 教授
開講部局エコトピア科学研究所
日時2015/3/6 13:00
場所野依記念学術交流館カンファレンスホール
講師丹司 敬義 教授
開講部局エコトピア科学研究所
日時2015/3/6 13:00
場所野依記念学術交流館カンファレンスホール

「たまたま」だらけの研究者人生

私は、1978 年に大阪大学で博士課程を終了し、東北大学、科学技術振興機構に勤めた後 1995 年に設置されたばかりの理工科学総合研究センターに赴任いたしました。それから丁度 20 年、名古屋大学で教育・研究に従事させていただきました。主分野は電子顕微鏡学で、装置や手法の開発に携わって来ました。有難いことに、本学では学生の教育とともに、自由に研究することが許され、いろいろなプロジェクトで楽しく研究をさせていただくことが出来ました。

振り返ってみると私の人生は「たまたま」ばかりでした。大学も「たまたま」大阪に住んでいたから。大学院に進んで電子顕微鏡と出会ったのも私の所属していた研究室に「たまたま」電子顕微鏡学の大家、橋本初次郎先生が転任してこられたからでした。東北大学に就職できたのも「たまたま」でした。科学技術振興機構には、その前年の学会懇親会で「たまたま」外村彰先生とお話しする機会があり誘われました。本学に赴任できたのも、「たまたま」新センターが出来たからでした。その後の研究においても、ずっと「たまたま」続きでした。飛び抜けた能力も持たない私が 40 年近い研究生活を右往左往しながらも何とか送ってこられたのも、名古屋大学が「たまたま」自由な研究を許して下さる気風であったからだと思います。ここに感謝の意を表し、大学のさらなる発展を祈念して退職のご挨拶と致します。

ご案内

このページの紹介動画は、丹司先生からの「後輩へのメッセージ」です。

講師紹介

丹司 敬義 (たんじ・たかよし) エコトピア科学研究所教授

学歴

  • 1978 年 大阪大学大学院 工学研究科 応用物理学 博士課程

職歴

  • 東北大学科学計測研究所 助手, 1978 年 04 月 〜 1990 年 01 月
  • アリゾナ州立大学客員研究員, 1984 年 01 月 ~ 1985 年 03 月
  • 東北大学科学計測研究所 助教授, 1990 年 02 月 ~ 1990 年 03 月
  • 新技術事業団創造科学推進事業外村位相情報プロジェクト グループリーダー, 1990 年 04 月 ~ 1994 年 09 月
  • 名古屋大学理工科学総合研究センター 助教授, 1995 年 04 月 ~ 2001 年 03 月

取得学位

  • 工学博士, 大阪大学, 課程

研究分野を表すキーワード

  • 透過電子顕微鏡、電子線ホログラフィ、磁性多層膜、磁性グラニュラー膜、固体酸化物型燃料電池

専門分野

  • ナノ構造科学
  • 薄膜・表面界面物性
  • 応用物理学一般
  • 電子デバイス・電子機器

所属学会等

  • 米国顕微鏡学会
  • 日本顕微鏡学会 評議員, 1992 年 04 月 ~
  • 日本顕微鏡学会 広報委員長, 2004 年 04 月 ~ 2013 年 03 月
  • 日本顕微鏡学会 関西支部長, 2010 年 04 月 ~ 2011 年 03 月
  • 日本電子顕微鏡学会 「顕微鏡」編集委員, 1999 年 04 月 ~ 2005 年 03 月

講義ビデオ

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講義資料

電子の波に乗った 30 年

後輩へのメッセージ


投稿日

May 18, 2020