生き暮れて30有余年

2009年度 退職記念講義

講師森敏彦 教授
開講部局情報科学研究科
日時2010/3/4 15:00-16:00
場所情報科学研究科棟1階第1講義室
講師森敏彦 教授
開講部局情報科学研究科
日時2010/3/4 15:00-16:00
場所情報科学研究科棟1階第1講義室

定年を迎えるにあたって

1965年に入学以来、学生、教員として計45年間を名古屋大学で過ごしてきました。人生の8割弱の期間を一所に留まって過ごし、“井の中の蛙”であり、グローバル化が求められるのに、これでよかったのかと振返る思いです。玉が埋まるという浜辺にいき、それを探そうと砂を掘り返しているうちに、探すべき玉の特徴(研究目的)が変わって再チャレンジを繰返す内に、“もう時間だよ”と言われ、周りを見渡してみるといつの間にか暗くなっているのに気がついたような今日この頃です。人に誇るべき立派な玉を探せたか忸怩たる思いです。十年一日のように研究・教育を惰性で続けてきましたが、この4月より新たに自分を見直せるいい機会かと考えています。

ただ、無事に定年を迎えることができたのは恩師を始めとして同輩、後輩、学生、関係する方々のお陰と深く感謝しています。

45年ほど前は日本の高度経済成長期で産業界も拡大を続けている時代でしたが、今は亡き恩師のK教授は日頃“日本の産業成長もいい加減にしなければならない。知足が大事だよ”と言っておられ、現在の環境破壊、公害を既に予見されていたようです。私は以来“足るを知る”をモットーとして生きてきました。後輩からはゼミを通して物性、情報技術に関する新たな知識を吸収させてもらいました。研究者にとって大きな仕事のテーマ選定で、学生と話し合ううちに微細加工、知能化応用技術に独創的な視点を得たのも度々でした。

講師紹介

森 敏彦(もり・としひこ)情報科学研究科教授

学歴

  • 1969年 名古屋大学工学部機械学科 卒業
  • 1974年 名古屋大学工学研究科機械工学専攻博士過程 修了

取得学位

  • 工学博士

所属学会

  • 精密工学会
  • 日本機械学会
  • 日本塑性加工学会

専門分野

  • 薄膜・表面界面物性
  • 生産工学・加工学
  • 知能情報学
  • 人工知能
  • 特殊加工

研究課題

  • マルチエージェントシステムによるロジックシステムの最適化
  • 超音速加工
  • 反転放電加工による超微細穴抜きパンチの製作
  • 超微細多数穴抜き
  • 日本ミツバチ社会における郡知能化のコンピュータシミュレーション
  • 膜状形状記憶合金によるマイクロアクチュエータの開発

講義ビデオ

生き暮れて30有余年

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講義資料

生き暮れて30有余年


投稿日

February 15, 2017