環境システム学−回顧と展望−

2009年度 退職記念講義

講師井村秀文 教授
井村秀文 教授
開講部局環境学研究科
日時2010/3/12 16:30-18:30
場所名古屋マリオットアソシアホテル16階アイリス
井村秀文 教授
講師井村秀文 教授
開講部局環境学研究科
日時2010/3/12 16:30-18:30
場所名古屋マリオットアソシアホテル16階アイリス

環境問題と環境学の今昔

現在、環境問題、とりわけ気候変動などの地球規模の環境問題が世界的な重要問題となり、多くの大学で環境という語を冠する学部/学科、研究科・専攻や研究所が存在しています。私の学生時代-1960~70年代-を想い起すと隔世の感がします。とすれば結果としてはよかったかと思っています。大学院博士課程時代は、非平衡系の熱・統計力学を勉強していたのですが、ローマクラブの「成長の限界」報告書に触れてから、自然と人間が一体として織り成す複雑系のシステム・ダイナミックスに興味を持ち、それが現在まで一貫した自分の興味の中心となっています。大学院修了後、設立間もなかった環境庁に入り、14年余を国、地方、国際機関での環境政策に従事しましたが、経済官庁や産業界の抵抗も強く、
40過ぎに九州大学の招きを受けて大学教員に転身し、2000年に名大に移りました。若いころ得意だったつもりの数学などが全然できなくなっており、勉強やり直しの毎日でしたが、行政で得た経験や知識を教育研究に活かすことができた環境に光が当たる現在、心配するのは「環境学栄えて環境滅ぶ」の事態です。
最近痛感するのは、日本の大学の国際化の遅れと、学生に見られる内向き思考です。名大が、世界中の学生を強く惹きつける大学に発展することを期待しています。

講師紹介

井村 秀文(いむら・ひでふみ) 大学院環境学研究科 教授

学歴

  • 1969年 東京大学工学部物理工学科卒業
  • 1974年 東京大学大学院工学系研究科物理工学

現在の専門分野

  • 木環境システム
  • 環境保全
  • 社会システム工学

現在の研究課題

  • 社会資本整備のライフサイクルアセスメント
  • 地球環境問題をめぐる市民・企業の意識と行動に関する研究
  • 東アジア地域における経済発展と環境問題に関する比較研究

所属学会

  • 環境アセスメント学会 評議員 2007
  • 環境科学会 (副会長/理事/評議員・企画委員会委員長) (2004-,2000-,1997-1999)
  • 環境共生学会 (副会長/理事) (2000-2003,1998-2000,2001-)
  • 環境経済・政策学会 (第2期理事/1997年実行委員長/第1期理事) (1998-2000,1997,1996-1998)
  • 国際開発学会 (理事/副会長/常任理事・選挙管理委員会委員長) (2005-,2002-2005,1999-2005)
  • 土木学会 (環境システム委員会顧問/環境システム委員会委員長/環境システム委員会委員/環境システム委員会 地球環境研究小委員会委員長) (2003-,2001-2003,1996-2000,1995-1996)

受賞学術賞

  • 環境科学会学会賞 (2009/09/11)
  • 国際開発学会賞 (2006/11)
  • 環境科学会学術賞 (2000/09)
  • 土木学会論文賞 (1999/05/28)
  • 地球環境貢献賞 (2006/07/29)
  • 地球環境講演論文賞 (2005/07/15)
  • 地球環境貢献賞 (2001/09)
  • 地球環境論文賞 (2000/07/19)

講義資料

2010記念講演環境システム学回顧と展望


投稿日

March 02, 2016