第二言語習得研究概論a:第二言語習得研究の理解-2011

講師稲垣俊史 准教授
開講部局文学部/国際言語文化研究科 2011年度 前期
対象者国際言語文化研究科・日本言語文化専攻(博士課程 前・後期) (2単位週1回全15回)

講義目的

第二言語習得 (second language acquisition / SLA) 研究を概観し、SLA とはどんな学問分野であるか、今までどんなことが明らかにされてきたかを理解する。

授業の工夫

  • 教科書を予習する際押さえておくべきポイントを質問形式にまとめた "Study Guide" を作成し、予習の便宜をはかる。
  • 講義では、教科書で紹介された研究のうち重要と思われるものに関してさらなるデータを示したり、関連する研究を紹介したりして、教科書「を」教えるのではなく、教科書「で」教えるよう努める。
  • 受講者に自分が興味のある論文を選ばせ、授業中に 10 分で発表させる。これにより学生の授業参加を促すとともに、研究に対する自立性を促し、最終的に論文の批評という形で期末レポートへと発展させる。

この結果、以前よりも学生の参加を促すことはできたと思うが、SLA の基礎を身につけさせるという目標に関してはまだ改善の余地があると感じている。来年度は、期末テストを導入してその点の改善に努めたい。

講義内容

  1. SLA の諸問題(転移、普遍性、年齢、SLA 理論、指導の効果など)に関する講義
  2. 具体的な SLA 研究の紹介、発表

教科書

白井恭弘 (2008).『外国語学習の科学 − 第二言語習得論とは何か』岩波書店.

参考文献

  • 白畑知彦・富田祐一・村野井仁・若林茂則 (2009).『英語教育用語辞典 改訂版』大修館書店.

  • Ellis, R. (1985). Understanding second language acquisition. Oxford University Press.

  • Ellis, R. (2008). The studies of second language acquisition (2nd ed.). Oxford University Press.

  • 大関浩美(著)・白井恭弘(監修)(2010).『日本語を教えるための第二言語習得論入門』くろしお.

  • 迫田久美子 (2002).『日本語教育に生かす第二言語習得研究』アルク.

  • 小柳かおる (2004). 『日本語教師のための新しい言語習得概論』スリーエーネットワーク.

  • Lightbown, P.M. & Spada, N. (2006). How languages are learned (3rd ed.). Oxford University Press.

  • Richards, J. C. & Schmidt, R. (2010). Longman dictionary of language teaching & applied linguistics (4th ed.). Longman.

履修条件

特にないが、言語学と研究方法論の授業を受講することを勧める。

スケジュール

講義内容 発表者
1 授業の説明
2 白井 (2008) プロローグ
3 白井 (2008) 第1章 転移(1)
4 白井 (2008) 第1章 転移(2) 学生二名
5 白井 (2008) 第4章 メカニズム(1) 学生二名
6 白井 (2008) 第4章 メカニズム(2) 学生二名
7 白井 (2008) 第5章 習得法・指導法(1) 学生二名
8 白井 (2008) 第5章 習得法・指導法(2) 学生二名
9 白井 (2008) 第5章 習得法・指導法(3) 学生二名
10 白井 (2008) 第2章 年齢(1) 学生二名
11 白井 (2008) 第2章 年齢(2) 学生二名
12 白井 (2008) 第3章 個人差(1) 学生二名
13 白井 (2008) 第3章 個人差(2) 学生二名
14 白井 (2008) 第6章 効果的学習法 +まとめ 学生二名
15 まとめ・期末レポート

講義ノート

第 4 回

第 7 回

成績評価

  1. 出席・参加状況 (50%)
  2. 発表 (20%)
  3. 期末レポート (30%)

投稿日

March 25, 2020