統計物理学III-2011

講師上羽牧夫 教授
開講部局理学部/理学研究科 2011年度 後期
対象者理学部物理学科3年生 (2単位週1回全15回)

授業の目的およびねらい

統計物理学 I, II(「名大の授業」には入っていません)に続いて、量子多粒子系の統計力学の基礎と、相互作用のある系や相転移の問題への統計力学の応用について解説します。この科目は選択科目ですが、大学院進学希望者には必須の内容です。

授業の工夫

統計物理学は量子力学に従う素粒子や原子、分子の集団運動が、どのような巨視的な性質として表れるのかを探求するための学問です。統計物理学 III では I, II で学んだ熱力学、統計力学の基礎原理を理想量子気体や相互作用する系に応用し、単純な系から驚くべき性質が現れることを学びます。この講義では、その論理構造を簡潔、明瞭に示します。また、凝縮系物理学や天体物理学などから重要な応用例を紹介します。

予習、復習が容易になるよう詳しい講義ノートを用意しました。初学者が誤解しやすいところ、ほかの教科との関係などにもコメントを付けてありますので参考にしてください。また、学習した内容を確実に身につけるには自分で手を動かすことが不可欠です。基本的な技術を身につけて理解が深まるよう、講義と進度をそろえた物理学演習 IV が開講されています(「名大の授業」にはありませんが)。

授業内容

  1. 量子統計の基礎
    [フェルミ粒子とボース粒子、理想量子気体の分布関数、分布関数とエントロピー]
  2. 理想フェルミ気体
    [基底状態、有限温度理想フェルミ気体の性質、理想フェルミ気体とみなせる系]
  3. 理想ボース気体
    [ボース-アインシュタイン凝縮、黒体輻射:真空中の光子気体、固体中のフォノン]
  4. 相互作用する系と相転移
    [非理想古典気体、イジンク模型の相転移]

到達目標

  1. 量子多体系の基本的な概念と現実の物性との関係を理解し、簡単な計算ができるようになる。
  2. 相互作用する系の共同現象を理解し、簡単な近似法を習得する。

参考書

  • 長岡洋介「統計力学」岩波書店
  • ランダウ、リフシッツ「統計物理学(上)」岩波書店
  • 久保亮五「大学演習 熱学・統計力学」裳華房

履修条件

統計物理学 I, II の内容をマスターしていること。

関連する科目

量子力学 I, II、統計物理学 I, II

講義ノート

第 1 章

第 2 章

第 3 章

第 4 章

成績評価

学期末試験による。そのほかレポートなどを課すこともある。


投稿日

January 14, 2020