核医学診断技術学-I-2011

講師加藤克彦 教授
開講部局医学部/医学系研究科 2011年度 通年
対象者医学部保健学科放射線技術科学専攻3年 (2単位週1回全15回(前期7回、後期8回))

授業の内容

核医学(nuclear medicine)とは、放射性同位元素(radioisotope: RI)を利用して診断や治療を行う医学です。 放射線医学を構成する主要な分野であり,臓器の機能・代謝を知る方法として重要です。 とりわけ単一光子横断断層像(single photon emission computed tomography、SPECT)、ポジトロン横断断層像(positron emission tomography、PET)を用いる施設も増加し,この分野における進歩はめざましいものがあります。 また、核医学治療(内用療法)は 50 年以上歴史があるバセドウ病や甲状腺癌に対する I-131 治療のみならず、近年、骨転移疼痛緩和治療(メタストロン、Sr-89)や悪性リンパ腫に対するモノクローナル抗体による治療(ゼヴァリン、Y-90)が盛んに行われるようになりました。

核医学の基礎を学ぶとともに,臨床診断に役立つデータを収集するための知識を得るのみでなく,最近の動向をふまえ, 将来新しい核医学の分野における技術の進歩に対応できる基礎知識を習得できるようにします。また、実際の症例を勉強しながら、国家試験に対応する知識の習得もできるようにします。

授業の工夫

プロジェクター・スライドを用いて、基本的事項を解説します。実際の症例画像を数多く見ることにより、基礎知識を習得できるようにします。

核医学検査には数十種類の種類があり、全ての検査技術を理解することは困難です。繰り返し臨床症例を学ぶことにより、実際の臨床現場で役に立つ知識を習得できるよう心がけます。

また、国家試験でも数多くの問題が出題される分野なので、国家試験に役立つ知識の習得もできるようにします。

本講義は3年次に開講されるので、4年次に行われる臨床実習においてもすぐに対応できる事を目指します。

授業の進め方

プロジェクター・スライドを用いて,基本的事項を解説します。 講義内で、全範囲を網羅することは不可能なので、不足部分は上記の教科書や参考書で自習をして下さい。 疑問点があれば講義内もしくは時間外であれば直接連絡し質問し解決して下さい。

教科書

佐々木雅之他『核医学検査技術学』(南山堂,定価 4,200 円)

参考書

『核医学技術総論』(日本核医学技術学会編、山代印刷株式会社出版部、定価 6,500 円)
『核医学ノート』(金原出版、定価 4,500 円)、「核医学 Q&A」(丸善プラネット、定価 13,000 円)

授業の計画

下記の予定で行います。第1〜7回は検査技術科学専攻の放射性同位元素臨床検査技術学及び実習との合同授業です。

講義内容
1 イントロダクション:核医学とは、放射性医薬品
2 核医学総論:インビボ検査(脳・神経、内分泌、呼吸器、循環器、骨)
3 核医学総論:インビボ検査(消化器、泌尿器、血液・造血器・リンパ節、腫瘍、炎症)
4 核医学総論:PET検査
5 核医学総論:インビトロ検査
6 核医学総論:放射線防護、被曝管理
7 核医学総論:核医学検査の実際、SPECT装置(担当教員:阿部真治)
8 核医学各論:脳神経核医学
9 核医学各論:骨(骨シンチグラフィを中心に)
10 核医学各論:内分泌(甲状腺シンチグラフィ、副甲状腺シンチグラフィ、副腎シンチグラフィ)
11 核医学各論:核医学治療ーバセドウ病、甲状腺癌の内用療法(I-131内照射治療)
12 核医学各論:核医学治療ー骨転移疼痛緩和治療(メタストロン(Sr-89)治療)、モノクローナル抗体による悪性リンパ腫治療(ゼヴァリン(Y-90)治療)
13 核医学各論:PET検査の実際、PET装置(担当教員:山下雅人)
14 核医学各論:腫瘍核医学
15 まとめ・試験

講義ノート

核医学診断技術学 I (PDF 文書, 8411KB)

成績評価

学期末に試験を行い評価を行う。


投稿日

March 17, 2020