本講義の目的とねらい
放射線計測の基礎的事項、特に放射線検出器の物理と測定原理の理解を目的とする。最終的に、各放射線の測定に対して、適切な測定システムを選定できる能力を培う。
達成目標
- 放射線計測の基礎物理を理解し、説明できる。
- 各種放射線検出器の測定原理と特徴を理解し、説明できる。
- 各種放射線測定に対し、適切な計測システムを選定できる。
バックグラウンドとなる科目
原子物理学、電磁気学 I、原子核電気電子回路
授業内容
- 放射線の量と単位、自然放射線、統計的性質
- 放射線(荷電粒子、γ(X)線、中性子)と検出器物質の相互作用
- 放射線検出器の性能を表す特性量(検出効率、エネルギー分解能等)
- 気体電離検出器(気体中の電荷挙動、電離箱、比例計数管、GM計数管)
- 固体電離検出器(動作原理、半導体検出器等)
- 発光型検出器(発光機構、各種シンチレータ等)
- 光電変換素子(光電子増倍管、フォトダイオード等)
- 信号処理回路システム(検出器選択指針、パルス計数、パルス波高分析、パルス時間分析等)
- その他(受動型検出器、新しい検出器の動向と展望)
教科書
教科書は特に指定しないが、下記参考書をもとにした講義資料を適宜配布する。 毎回講義に関連した小課題レポートを与えるので、講義資料をもとに十分復習を行うこと。
参考書
- 「放射線計測の理論と演習(上・基礎編)」ニコラス・ツルファニデス著、阪井英次 訳(現代工学社)
- 「放射線計測ハンドブック 第 3 版」G. F. Knoll 著、木村逸郎 他 訳(日刊工業新聞社)
評価方法と基準
達成目標に対する評価の重みは同等である。 毎回の小課題レポート〜30%、期末試験〜70%で評価し、100 点満点で 60 点以上を合格とする。