家族看護学-2009

講師浅野みどり 教授
開講部局医学部/医学系研究科 2009年度 前期
対象者医学部/保健学科 (2単位週1回全15回)

家族看護学

家族看護学は、家族の相互作用を理解し、家族システム全体に働きかけるという特徴をもっています。 また、看護学の中でも、専門領域としては新しい分野であり、母性、小児、成人、老年、精神、地域などすべての看護専門領域と関連する点も特徴の一つです。 そこで、小児看護学・母性看護学・老年看護学をバックグラウンドとする教員がオムニバス形式でこの講義を担当しています。

この講義では、家族看護とは何か,家族看護における看護職の役割,健康な家族とは何か、家族発達理論などを学びます。 さらに、健康問題を取り上げながら、家族の価値観や主体性を尊重した家族看護アセスメント方法および家族システム全体のQOLに資する援助方法の基本について学びます。 まとめとして、より実践的な理解を深めるために、健康問題をもつ家族の事例検討を行い、学生間のディスカッションを行っています。


スキップまま http://www.jsnhc.org/smc/

授業の工夫

昨年度の授業評価アンケートの結果、講義の内容にはついては、学生の反応も評価も概ね良好でした。 改善する必要があったのは、スケジュールの組み方であり、事例検討にかける時間が不足している点でした。

そこで、平成 21 年度の講義では、さらに2コマ分を事例検討およびグループ発表時間に充てて、合計4コマの事例検討・発表の時間としました。 講義内容については、家族発達段階別の看護の部分を7コマから5コマに集約して、全体のコマ数を抑えています。

授業の目標

家族看護とは何か,家族看護における看護職の役割,健康問題を中心にした家族看護アセスメント方法および家族全体のQOLに資する援助方法の基本について講義する。

  1. 家族看護の定義と目標および家族看護学の主要な理論について説明できる。
  2. 家族の発達段階とその特徴,各期における家族の発達課題について説明できる。
  3. 家族アセスメントの目的と方法の概要が説明できる。
  4. 健康問題をもつ家族の事例検討を通して,基本的な援助方法について理解できる。

教科書

鈴木和子,渡辺裕子『家族看護学 理論と実践 第3版』(日本看護協会出版会,2005)

参考書

  • 森秀子(編)『新版小児看護学叢書 3 発達に障害のある子どもの看護』(メヂカルフレンド社,2005)
  • 山崎嘉久(編)ふだんのかかわりから始める『虐待防止&対応マニュアル』(診断と治療社,2006)

授業の進め方

できるだけ事例を取り上げながら,演習やディスカッションを重視して授業をすすめる。 受講にあたってはテキストの該当部分をよく読んでおき、効果的なディスカッションがすすめられるよう準備しておくこと。

評価の方法

出席および授業への主体的な参加状況(50%),演習時の記録物,レポート(50%)により総合的に評価する。

課題

紙上事例検討のグループワークを経験して

  • 学んだ成果(気づいたこと、感じたこと)
  • 難しかったこと

スケジュール

日時 講義題目 担当教員
1 4/17 家族看護学(総論) 定義と変遷
家族看護学における主要な理論
浅野
2 4/24 現代家族の特徴;家族の形態と機能,家族観の変化,
社会環境の変化,現代の家族が抱える健康問題
浅野
3 5/1 家族のアセスメント;
ジェノグラムとエコマップ(演習)
浅野
4 5/8 新しい家族の誕生;
夫婦関係の発達,母性・父性の発達
田辺
5 5/15 新生児/乳幼児と共に暮らす家族と看護;
新しい家族員の誕生と家族の変化,親役割の獲得,育児不安
田辺
6 5/22 学童期・思春期の子どもと共に暮らす家族と看護 浅野
7 5/29 青年期の子どもをもつ家族(排出期の家族)と看護;
精神看護領域を中心に
浅野
(古澤)
8 6/10 老いゆく家族の看護(向老期・退隠期の家族);
介護と家族
會田
9 6/10 終末期患者における家族の看護 會田
10 6/12 救急医療・集中治療における家族の看護 浅野/池松
11 6/12 Special Needsをもつ子どもと家族への予防的育児支援;
虐待とネグレクト,発達障害をもつ子どもと家族
浅野
12 6/19 家族看護過程(事例検討)
グループワーク
浅野・田辺
13 6/19 家族看護過程(事例検討)
グループワーク
浅野・田辺
14 6/26 家族看護過程(事例検討)
グループ発表と討議
浅野・田辺・會田
15 6/26 家族看護過程(事例検討)
グループ発表と討議
浅野・田辺・會田

講義ノート

家族看護学概論


投稿日

May 16, 2020