数学展望-II-2006

講師粟田英資 准教授
開講部局理学部/理学研究科 2006年度 後期
対象者理学部1年生全学開放科目 (2単位)

講義の目的

歴史をひもといてみますと、数学と物理は互いに大きく影響をおよぼし合 いながら発展してきたことが分かります。19 世紀以前ですと、ニュートン力学と微分積 分や位相幾何学、電磁気学とベクトル解析などが代表的なものです。20 世紀そして今世 紀になると、その関係は更に深くなってきています。ですから、数学をより良く理解する ためには、物理を全く無視する訳にはいきません。 本講義では、数学と物理の関わりについて、高校や共通教育ではやらない 20 世紀の物 理(相対論や量子論)を題材に紹介します。

履修に必要な知識

教養の線形代数、微分積分でやった具体的な計算ができる事。物理 は特に仮定しない。(あえて言うなら, 高校程度の物理学の漠然とした記憶)

教科書および参考書

教科書は特に用いない。

参考書は、相対論や量子力学の本ならばなんでもよいが、 例えば,

  • 砂川重信著、物理の考え方5、相対性理論の考え方、岩波書店
  • 野村昭一郎著、量子力学入門、コロナ社
  • 少し難しくなるが、数学科向けの本としては、例えば
  • 前原昭二著、入門現代の数学4、線形代数と特殊相対論、日本評論社
  • 清水明著、新物理学ライブラリ別巻2、新版量子論の基礎、サイエンス社

スケジュール

講義内容は、相対論や量子論の初歩とそこに登場する数学の解説で、具体的に次のような内容を予定している。

講義内容
1 Part1:相対論
・ ローレンツ変換
・ 時空図
・ ミンコフスキー空間
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6 Part2:量子論
・ 光の2重性
・ 波動関数
・ ヒルベルト空間
・ フーリエ級数
・ 線形演算子
・ 不確定性原理
・ 双対性
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15 まとめ・最終試験—四者択一形式の最終試験

講義ノート

成績評価

数回のレポート(講義中に出す演習問題など)を判断材料にして評価す る. レポートの点数が低かった人は何度出し直しても構いませんが, 他人のレポートを写す事は厳禁です.

投稿日

March 31, 2020