“自然に学ぶ”フィールドワーク40年

2009年度 退職記念講義

講師足立守 教授
足立守 教授
開講部局博物館
日時2010/03/13 15:30-17:00
場所環境総合館1階レクチャーホール
足立守 教授
講師足立守 教授
開講部局博物館
日時2010/03/13 15:30-17:00
場所環境総合館1階レクチャーホール

博物館での10年

理学部地球科学教室の助手として赴任したのが1979年4 月なので、ちょうど31年間名古屋大学でお世話になりました。 この間、2000年に新設の大学博物館に移ってからは、“博物館”という既成概念にとらわれず名古屋大学らしさをどうやって出すかを考えて、組織の立ち上げと整備に全力投球しました。その結果、ミューズセラピー(Musetherapy)というコンセプトに基づく博物館コンサート、野外観察園とセミナーハウス、東山キャンパス全体をキャンパス・ミュージ アムにする構想などは実現しましたが、残念ながら当初からの夢であった新館はできませんでした。

担当した展示で最も印象に残っているのは、2001年の特別展『野依良治 - ノーベル賞への道』です。「キラル触媒による不斉反応の研究」というノーベル化学賞の理解に悪戦苦闘しながら、野依先生に提供してもらった写真を使って、 3 週 間で展示パネルを完成させました。振り返ってみると、当時はまだ少し若く馬力があったのだと思います。野依展の最終日には、スウェーデン産花崗岩で造ったノーベル賞記念碑の除幕式とアスナロの記念植樹が博物館の前庭で行なわれましたが、それがついこのあいだのように思われます。この2001年の経験が2008年の小林・益川・下村 3 博士のノーベル賞展示に大きく役立ちました。博物館在職の10年間に、2 度のノーベル賞展示を始めとする様々なイベントを開催することができたのは幸運でした。暖かいご支援を下さった学内外の多くの方々に心からお礼申し上げます。

講師紹介


足立 守(あだち・まもる)博物館教授

学歴

  • 1969 名古屋大学理学部 地球科学 卒業
  • 1975 名古屋大学理学研究科 地球科学 博士修了

職歴

  • 1977/04/01 - 1979/03/31 名城大学理工学部助手
  • 1979/04/01 - 1984/01/31 名古屋大学理学部助手
  • 1984/02/01 - 1993/11/30 名古屋大学理学部/理学研究科助教授
  • 1993/12/01 - 2000/03/31 名古屋大学理学部/理学研究科教授
  • 1996/04/01 - 2000/03/31 名古屋大学年代測定資料研究センター長(併任)
  • 2000/04/01 - 2006/03/31 名古屋大学博物館教授・館長
  • 2006/04/01 - 2008/03/31 名古屋大学博物館教授・評議員
  • 2008/04/01 - 2009/10/31 名古屋大学博物館教授
  • 2009/11/01 - 2010/03/31 名古屋大学博物館教授・館長

取得学位

  • 理学博士 名古屋大学

所属学会

  • Geological Society of America
  • Geological Society of New Zealand
  • 東京地学協会
  • 日本アフリカ学会
  • 日本岩石鉱物鉱床学会
  • 日本地質学会

専門分野

  • 地質学
  • 構造地質学・堆積地質学
  • 先カンブリア地質学・砕屑岩岩石学

研究課題

  • 始生代堆積岩類の形成環境
  • 日本列島の基盤構造と活断層
  • 環太平洋造山帯の形成史に関する研究

受賞学術賞

  • 日本地質学会研究奨励賞

講義ビデオ

最終講義ビデオ・スライドを見る(新しいウィンドウが開きます)

Internet ExplorerまたはMicrosoft Edgeからの閲覧の場合、動画が乱れることがございます。

Google ChromeやSafari、Mozilla FireFoxでお試しください。

講義資料

自然に学ぶフィールドワーク40年

後輩へのメッセージ


投稿日

May 16, 2020