講師 | 山上滋 教授 |
---|---|
開講部局 | 理学部/理学研究科 2010年度 後期 |
関連部局 | 多元数理科学研究科 |
対象者 | 理学部数理学科3年 (4単位・週1回全15回) |
グラフ理論は、組合せ論などの応用数理方面で活発に研究されている分野の一つであるが、その解析学的な側面に注目すると、作用素の理論と深く関わりをもつものであることが知られている。 この授業では、有限グラフを主たる対象とし、固有値・固有ベクトルの復習と同時にグラフのスペクトル解析の基礎について学ぶ。 と同時に、自ら数学を実践する、というと大げさかも知れないが、少なくともあれこれ考えるとはどういうことかを実感できれば幸い。
ややもすれば勉強(知識・計算技術・概念の修得を含む)だけで終わってしまいがちな数学の教程において、 一服の清涼剤というか、はたまた煩悩の火種というか、そういったものを提供したいのであるが、多くは望まぬ、慢性的日常への刺激ともなれば幸い。
この講義の目的は「数学の世界にはこの先どんなものがあり,どれだけの拡がりをもっているか」を体験することにある. もちろん,無限の可能性の中から限られた題材を選ぶことになってしまうが,少しでも幅を持たせるため講義は 3 人の教員が行う.より具体的には,各教員が数回の講義を独立に行う形(オムニバス形式)となる. 普段の講義はどちらかと言えば基礎力,論理的思考を身につけるための「足腰を鍛える」側面が強いが,この講義では題材やアイディアの紹介,またそれが科学や社会の中でどのように使われるか,等の視点を提供することに力点が置かれる.可能ならば数学の最新の話題や各分野の有機的なつながりも見えるようにしたい.
教科書は使わないが、線型代数の本(1・2年次で使用した教科書でよい)を 1 冊持参すること。 授業は、次の資料に基づいて進める.
参考書は、
F.M. Goodman, P. de la Harpe and V. Jones, Coxeter Graphs and Towers of Algebras, Springer Verlag, 1989.
概ね次の順で進める。
山上担当分はレポートで判断する。
May 08, 2020