基礎セミナー韓流ドラマから「パッチギ」まで−日韓関係を考える-2015

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講師浮葉正親 教授
開講部局教養教育院 2015年度 前期
対象者農学部/文系学部/情報文化学部(自然)・理学部/工学部(I・II・III系) (2単位週2回全15回)

授業の内容

  1. 講義とディスカッション (授業スケジュールを参照)
  2. 図書館やインターネットでの情報検索、文献検索
  3. パワーポイントを使った発表をグループ活動で行います。

授業のねらい

日本で暮らす人々にとって、韓国 (朝鮮) は「似ている」ようでどこかが「違う」、ちょっと気になる国です。この授業では、私たちがが韓国 (朝鮮) の社会や文化のどこに違和感を抱くのかを吟味し、韓国 (朝鮮) という <鏡> に映った日本人の自画像を議論していきます。また、韓国 (朝鮮) との歴史的な深い関係を知る糸口として、日本に定住している在日コリアンに対する理解を深めるのがこの授業のねらいです。

授業の工夫

身近なテーマから文化の違いを捉える

この授業では、「韓国」や「北朝鮮」、「在日コリアン」という記号化されたイメージを疑うことから始めます。食文化や対人関係、恋愛や受験勉強という身近なテーマから入り、韓国と日本の文化はどこが似ていてどこが違うのかを具体的に考えます。そのため、ドラマや映画のワンシーン、韓国や在日コリアンを紹介する番組の映像を多用します。

朝鮮学校の児童や卒業生との出会いの場を設定

異文化として韓国 (朝鮮) を理解すること以上に難しいのが、在日コリアンの存在です。参考文献は数多くありますが、それらを読むだけでは理解が深まりません。そこで、春日井市にある東春朝鮮初級学校の児童を招き、基礎セミナーの受講生に大学のキャンパスを案内してもらう活動をしています。また、朝鮮学校の卒業生や在日コリアンの大学生数名をゲストに迎え、学校生活や進路のこと、アイデンティティをめぐる葛藤などを話してもらう時間をもうけています。等身大の在日コリアンの姿を目にすることで、メディアが流す情報がいかに偏ったものであるかが分かるはずです。

授業の目標

テーマ 「韓流ドラマから『パッチギ』まで―日韓関係を深く考える」

日本人にとって、韓国は「似ている」ようでどこかが「違う」、ちょっと気になる国です。この授業では、日本人が韓国の社会や文化のどこに違和感を抱くのかを吟味し、韓国という <鏡> に映った日本人の自画像を議論していきます。また、日本と韓国 (朝鮮半島) との歴史的な深い関係についても理解を深めるのがこの授業のねらいです。歴史の「負の遺産」から目をそらさず、東アジアの隣人たちと堂々と付き合うことのできる「大人」になってください。

履修にあたって

質問や自分の意見を述べて討論するなど積極的な授業参加を期待します。

教科書

特にありません。適宜プリント等を配布します。

参考書

  • 浅羽祐樹・木村幹・佐藤大介 (2012) 『徹底検証 韓国論の通説・俗説』中公新書ラクレ
  • 朴三石 (2012) 『知っていますか、朝鮮学校』岩波ブックレット
  • 徐京植 (2012) 『在日朝鮮人ってどんなひと?』平凡社
  • 安田浩一 (2012) 『ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて』講談社
  • 野間易通 (2013) 『「在日特権」の虚構—ネット空間が生み出したヘイト・スピーチ』河出書房新社

スケジュール

日程 講義内容
4/16 オリエンテーション
4/23 日本人と韓国人、どこが違うの?―言語表現や身体技法の違いから
4/30 激しい受験競争、深刻な就職難
5/7 現代に生きる儒教精神―韓国に嫁いだ日本人花嫁の葛藤
5/14 在日コリアンと日本社会―映画「パッチギ」とその背景
5/21 ドキュメンタリー視聴「ウリナラ〜愛知朝鮮中高級学校寄宿舎の1年」
5/28 ゲストを招いて「朝鮮学校って、どんなところ?」(仮題)
6/11 東春朝鮮初級学校の生徒たちを迎えて
6/18 発表準備 *<グループ分け>
6/25 発表準備
7/2 発表準備
7/9 調べたことを発表する (1)
7/16 調べたことを発表する (2)

*グループ発表のテーマは以下から選ぶ。

  1. 在日コリアンについて
  2. 朝鮮学校と無償化除外問題
  3. 在特会、反韓デモ、ヘイトスピーチについて

※ 6月18日〜7月9日の間に、グループによる自主学習を1コマ(90分)行うこと。

講義資料

交流授業の様子

交流授業の様子(1) 交流授業の様子(2) 交流授業の様子(3)

評価

出席(15%)、授業への貢献(15%、宿題の提出を含む)、発表(40%)、レポート(30%)を総合的に評価します。定期試験の代わりにレポート提出を義務付けます。

  • 出席: 授業回数は 15 回 (グループ自主学習 1 回を含む) です。欠席する時は事前にメール等で連絡してください。なお、グループ活動に入ってからの履修取り下げは認めません。
  • 授業への貢献 (討論への参加): セミナーでは、人は一人一人違うことを受け止め、人の意見を聴くとともに、自分から積極的に質問や意見を出し議論することで自分を表現するように努めましょう。人とコミュニケーションできる力を身に付けてください。
  • 発表: パワーポイントを使って口頭発表を行います。発表時間は 20 分です。その後、質疑応答の時間を約 10 分とります。発表は 3〜4 名のグループ発表の予定です。
  • レポート: 発表した内容をまとめて 3,000 字程度 (A4 用紙 3 枚) で PC を使用して書くこと。レポートの書き方については別紙で注意事項を示すので、それに従って作成してください。レポートを提出しない場合は不可となります。

投稿日

April 29, 2020