教師発達論講義Ⅰ-2015

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講師サルカール アラニ 准教授
開講部局教育学部/教育発達科学研究科 2015年度 後期
対象者教育学部3年生、4年生 (2単位週1回全15回)

授業の内容

受講者は、教員養成教育、現職教育、教師教育者に関する理論的・実践的な知識と、基本的・専門的な技能を習得する。授業方法の特徴としては、具体的な実践の事例 (エビデンス) を基に個人の考察、ペア学習・グループ学習を行い、全体討論や個人の発表の機会を通してさまざまな考え・アイデアを交換し、教師発達について理解を深める。

授業の工夫

ある資料を読み、それについて次の週までに内容や意見・疑問・分かったことを 1 枚の紙に記入してもらうというのを毎回の課題としています。授業内ではその課題について議論します。また授業後に感想を提出してもらいます。

前後の授業を記録し、両者を比較してその変化を分析することにより、学生にどんな影響があるか、またその変化は授業の改善においていかなる効果をもたらすかを明らかにする実証的、検証的アプローチを取っています。

授業の目標

  1. 教師として必要な授業実践の方法や技術とその内容に関する基礎的知識・技能を習得する。
  2. 教員養成の制度とカリキュラムに関する基本的な概念や理論を理解し、具体的な実践に基づいて教員養成教育に関して自己の視点から考察する。
  3. 現職教育の基本的な概念や理論を理解し、具体的な取り組みに基づいて現状と課題を考察する。
  4. 教師教育の担い手である「教師教育者-teacher educator-」が備えるべき資質能力を理解し、その養成に資する知見を深める。

教科書

特にありません。毎回の授業でレジュメを配布する。授業中に適時、指示する。

参考書・参考資料

  • 石井英真(2014)「教員養成の高度化と教師の専門職像の再検討」『日本教師教育学会年報』第 23 号
  • 的場正美・柴田好章 編著(2013)『授業研究と授業の創造』渓水社
  • 日本教育方法学会 編(2014)『教育方法 43: 授業研究と校内研修-教師の成長と学校づくりのために-』図書文化
  • 日本教育方法学会 編(2013)『教育方法 42: 教師の専門的力量と教育実践の課題』図書文化
  • サルカール アラニ モハメッド レザ (2012) 「授業研究会を通した教師同士の学び合い」和井田 節子・柴田 好章 編集『協同の学びをつくる -幼児教育から大学まで-』 東: 三恵社
  • サルカールアラニ・モハメッド レザ (2007) 『国境を越えた日本の学校文化』京都: 国際日本文化研究センター

履修条件

配布した資料を読んで自分なりの考え・意見・感想などをもち、それらを基に授業中で話し合いを行う。これを活性化するために、授業内/授業外で、努力・協力すること。

注意

  1. これまで学んできたこと・体験してきたことを基に、教師発達論についての知識を再構築してほしい。
  2. 内容は、講義の進度や受講者の希望・状態によって、予定を変更することがある。

スケジュール

講義内容
1 オリエンテーション・授業の目的、授業の方針と授業の進め方
2 教師の成長を中心にした教師教育
3 教員養成教育の制度とカリキュラム
4 現職教育の機能と教師の資質向上に対する効果的なタイプ
5 校内研修としての授業研究の基本的な概念と理論的なモデル
6 教師の教育実践の改善に対する「授業研究」のさまざまな方法と種類
7 実践者の授業研究と研究者の授業研究の目的とその関係
8 共同研究としての授業研究の理論と実践
9 学習する組織としての学校の概念
10 学習する学校理論にもとづく教師の成長 (環境の変化に対応して、自ら新たな知識・技術・行動・思考・態度を、経験に基づいて獲得する教師集団)
11 教師・学校文化と学校改革のリーダーシップと授業研究
12 世界における日本の授業研究モデルの動向と挑戦 (アジア、アメリカ、中東、ヨーロッパにおける授業研究)
13 教師教育者 (teacher educator) の資質能力
14 教員養成プログラムの実施後の評価
15 教育改革と教師教育の課題・授業の総括、反省会と意見交換

講義ノート

第 1 回 (2015/10/7)

第 2 回(2015/10/14)

第 3 回(2015/10/20)

第 4 回(2015/10/28)

第 9 回(2015/12/2)

第 11 回(2015/12/16)

第 15 回(2016/01/27)

講演資料

ホームカミングデイ(2015)

成績評価

  1. 授業で課すレポート(30%) ―習得―
  2. 授業中のペア学習・グループ学習の活動、探究学習報告、発表など(30%) ―活用―
  3. 最終レポート(40%) ―考察―

で評価する。合計 100 点満点で 60 点以上を合格とする。


投稿日

April 11, 2020