カリキュラム学講義Ⅱ/計画講義Ⅱ―現代の学力とカリキュラム-2015

講師久野弘幸 准教授
開講部局教育学部/教育発達科学研究科 2015年度 前期
対象者学部3,4年 (2単位週1回全15回)

講義概要

本講義では、幅広い視野に立ってカリキュラム学の基礎ならびに日本の教育課程の動向に着目し、その底流を流れる学力観の意味と立ち位置を考える。

前半では、A) 近年の国内の「教育改革」の系譜、B) 国際学力比較調査やいわゆる「21 世紀型能力」 (次世代型教育) など、世界における「学力」をめぐる動向、C) 実際の教育現場での実現可能性 (実践的視点) などから多面的に検討を行います。

後半では、第 2 期教育振興基本計画から教育政策全般を見渡し教育課程を捉え、「高等学校改革」「英語教育」「総合的な学習の充実」「大学入試改革」など、自己の関心に基づいて研究課題を選び、各自で資料収集・論点整理を行い、発表を行います。

授業の工夫

  • できるだけ観念的でなく、具体的な事象から考え始められるように、実際の授業事例や活動から授業に入るように心がけている。また、1 コマ 90 分の中の様々な場面において、隣同士で考えを交換するペア対話を取り入れるとともに、全体で考えを交換し合う場では、本質的に考える「問い」を立てるように心がけている。
  • 本講義では、最新の資料や研究成果を取り上げることにしている。特に、教育課程の変わり目の時期には、毎週新しい展開があることがある。目の前で実際に形成されていくカリキュラムについて関心を持って、授業での学びにつなげたいと考えている。また、世界のカリキュラムおよび学力形成についての知見を、概念的・実践的な方法で学生の意識に届くように取り入れたいと考えている。
  • 学期に 1 回は、実際の学校現場に足を運び、日々教育の現場で生起している子どもの生活と学びに関心を持ち、学校教育及びカリキュラムのイメージを豊かに持たせられるように工夫している。

授業の目標

「講義概要」に示した三つの視点を拠りどころにして、平成元年以降の日本の学習指導要領の変遷と特質を踏まえて、現在進行中の教育課程の改訂に関する論点について理解する。 さらに、自分で選定・設定した個人研究課題について、自分なりの論点を加味したレポート (または発表) を作成し、理解の深化を図る。

テキスト・資料

  1. 【必携】奈須正裕、久野弘幸、斎藤一弥編著 (2014) 『新しい教育の潮流シリーズ 1 知識基盤社会を生き抜く子どもを育てる』ぎょうせい ・・・講義で販売します
  2. [参考]田中耕治、水原克敏、三石初雄、西岡加名恵 (2011) 『新しい時代の教育課程 第 3 版』、有斐閣
  3. 【必携】第 Ⅱ 期教育振興基本計画・・・このページから本文を入手してください
  4. 文部省の「審議会情報」・・・このページから各自の関心に応じて主題を選びます 「中央教育委審議会について」の「分科会・部会等」に入る

スケジュール

講義予定

講義資料

第 2 回

第 6 回

第 13 回

評価の方法と基準

  1. 授業における参加姿勢とコメントシート (25%)
  2. 2 つの補講に関わるレポート (25%)
  3. 政策的課題に関する取り組み・発表 (30%)
  4. 最終課題 (20%)

を評価資料に、下記のルーブリックに基づいて評価する。 (目安として理解してください)

評価 達成目標
S ほぼすべての講義に積極的に参加し、他者の考えを吟味しつつ、深く清新な考えを述べ、到達目標の内容を越える認識を持つことができた。 (10%)
A ほぼすべての講義に参加し、資料に基づいて自分の考えを述べ、到達目標の内容に十分に到達することができた。
B 目標に到達可能な回数の講義に出席し、意欲的に参加すると共に自分の考えを吟味して述べ、到達目標の内容に到達することができた。
C 講義に出席し、一通り自分の考えを述べ、到達目標の内容に到達することができた。
D 本講義への参加が十分でなく、到達目標に達することができなかった。

投稿日

April 10, 2020