産業社会と企業-2013

course
講師小堀聡 准教授
開講部局教養教育院 2013年度 前期
対象者工学部1年生 (2単位週1回全15回)

授業の内容

現代の経済では企業が中心的な役割を果しており、市場経済や資本主義(資本制)経済などと呼ばれている。しかし、人類の誕生時から企業や市場があったわけではないし、これらが誕生してからも、その中身は時代を通じて変化してきた。また、企業や市場の発展によって多くの問題が解決されてきた半面、公害や格差のように新たに深刻化した問題もある。この講義では、企業や市場の誕生・発展プロセスを歴史的に学ぶことで、現代社会をプラスとマイナスとの両面から考察できる姿勢を養うことを目指す。

授業の工夫

  • 教養課程の講義であることを考慮し、個々のトピックスを羅列的に教えるのではなく、現代の産業社会が形成されるまでの大まかな流れと、それによってもたらされた成果と課題とを大づかみできるような講義を心がけた。
  • 映像や画像資料をパワーポイントにて提供し、受講生のイメージが膨むよう心がけた。
  • ノートを取ることで理解の定着を図ってもらうため、パワーポイントのスライドは配布しなかった。かわりに、講義の流れや最小限の図表を載せたレジュメを別途提供し、その余白にノートを取れるようにした。
  • 発展的な学習の参考として、毎回 10 点程度関連文献をレジュメにて紹介した。さらに、そのなかから 1 冊を選んで書評することを期末課題とした。

教科書

なし

参考文献

  • 河野健二『西洋経済史』岩波全書、1980 年
  • Leo Huberman, Man's Worldly Goods: The Story of The Wealth of Nations,NY: Monthly Review Press, 1936 (レオ・ヒューバーマン/小林良正、雪山慶正訳『資本主義経済の歩み: 封建制から現代まで』上・下、岩波新書、1953 年

スケジュール

講義内容
1 ガイダンス
2 経済と市場経済
3 経済発展の諸要因(1)自然
4 経済発展の諸要因(2)精神と制度(1)
5 経済発展の諸要因(2)精神と制度(2)
6 古代オリエントから古代ギリシアへ
7 中世の西ヨーロッパ:封建制
8 産業革命
9 市場経済の発展と失業・貧困
10 グローバリゼーションと日本型経済システムの変容
11 経済成長と環境−水俣病−(1)
12 経済成長と環境−水俣病−(2)
13 市場経済と国際関係:南北問題と世界平和(1)
14 市場経済と国際関係:南北問題と世界平和(2)
15 おわりに

講義資料

第 2 回

第 3 回

第 4,5 回

第 6 回

第 7 回

第 8 回

第 9 回

第 10 回

第 11,12 回

第 13,14 回

成績評価

中間レポート(1200 字、25%)+期末レポート(6000 字、75%)


投稿日

October 26, 2015