無機化学IV-2013

講師中島洋 准教授
開講部局理学部/理学研究科 2013年度 前期
対象者理学部化学科3年 (2単位週1回全15回)

授業の内容

この講義では、先に無機化学 I, II で習得した無機化学の基礎的な知識を基に、周期表における 1, 2, 13〜18 族元素(典型元素)の化学について、更なる理解を目指す。

  • 周期表の族ごとに元素の性質を整理し、基本的な反応性について学ぶ。
  • いくつかの主だった元素の単体および元素を含む小分子の分子軌道とエネルギー準位について学び、単体や小分子の性状・反応性を電子構造と結び付けて理解し、予測する力を習得する。

授業の工夫

無機化学はつまらない?

無機化学、特に典型元素の化学は各論になりがちで、系統だった理解が難しく、しかも対象とする元素数が多い。そのため、得た知識が、のちのちどのように活かせるのか学ぶ側にとっては分かりにくいものです。

こうした感覚を払しょくするため、この講義では膨大な知識の天下り的な伝達をできるだけ避け、元素の性質を電子の振る舞いとして説明することに腐心しています。また、無機化学の知識と知恵が足りなかったために起こった自身の実験室での失敗談を交え、実は、無機化学の知識が近い将来、研究室で実験を進めるうえで、なくてはならないことを伝えて行きます。

工業と化学というと,石油化学をはじめとする有機化学とのつながりを連想しがちですが、無機化学が果たす役割もまた大きいのです。講義では無機化学が、現代から近未来の社会で無機化学が果たす役割についても時間の許す限り紹介し、無機化学の知識の重要さと面白さを伝えるよう、努力しています。

授業の目標

この講義では、先に無機化学 I, II で習得した無機化学の基礎的な知識を基に、周期表における 1, 2, 13〜18 族元素(典型元素)の化学について、更なる理解を目指す。

  • 周期表の族ごとに元素の性質を整理し、基本的な反応性について学ぶ。

  • いくつかの主だった元素の単体および元素を含む小分子の分子軌道とエネルギー準位について学び、単体や小分子の性状・反応性を電子構造と結び付けて理解し、予測する力を習得する。

講義内容

第 1 回

  • その元素は、金属か、非金属か?

第 2-4 回

  • 1 族:水素、アルカリ金属の化学

  • 2 族:アルカリ土類金属の化学

第 5-6 回

  • 13 族:ボラン、アルミニウムの化学を中心に

第 7-9 回

  • 14 族:炭素、ケイ素の化学を中心に

第 10-12 回

  • 15 族:窒素、リンの化学を中心に

第 13-14 回

  • 16 族:酸素、イオウの化学を中心に

第 15 回

  • 17 族:ハロゲンの化学

第 16 回

  • 18 族:キセノンの化学を中心に

教科書

ハウスクロフト無機化学(上/下)東京化学同人

参考書

岩波講座現代化学への入門 12 「金属錯体の構造と性質」岩波書店

講義資料

無機化学 IV 講義資料 (PDF 文書, 432KB)


投稿日

March 17, 2020