数理情報学9-2011

講義目的

数理統計学の理論とデータ解析の実践的方法を学ぶ．

授業の工夫

学生が円滑に学習できるように，講義で配布する資料などは，すべてウェブページ上に公開している．また自主学習を促すために，レポート課題は一週間程度で採点し，返却している．

講義内容に関しては，統計学の数理的な側面に重点を置いている．分かりやすい例を通して，推定や検定の最適性やトレードオフなどの問題について説明することを心掛けている．従来の理学的なパラダイムとは異なる，情報科学特有の思考法を明確に示すことを目標としている．

授業内容

1. 確率論の復習：大数の法則，中心極限定理
2. 推定論：不偏推定，区間推定
3. 検定論：尤度比推定，誤り確率
4. 回帰分析
5. 最尤推定

教科書

教科書は指定しない．適宜プリントを配布する．

参考文献

藤澤洋徳 『確率と統計』 朝倉書店, 2006
稲垣宣生 『数理統計学』 改訂版，裳華房，2003

課題

3 週に 1 度程度，レポートを課す．

スケジュール

回	講義内容
1	ガイダンス
2	確率論の復習 I (確率変数，期待値，分散)
3	確率論の復習 II (共分散，独立性)
4	統計的推定 I (統計的推測，不偏推定量)
5	統計的推定 II (フィッシャー情報量)
6	統計的推定 III (クラメール・ラオの下限)
7	信頼区間 I (信頼性の評価)
8	信頼区間 II (区間推定量の構成)
9	仮説検定 I (検定の考え方・期待値の検定)
10	仮説検定 II (検定の誤り確率)
11	仮説検定 III (最適な検定：ネイマン・ピアソンの補題)
12	回帰分析 I (回帰関数の推定)
13	回帰分析 II (回帰分析における信頼区間・仮説検定)
14	最尤推定 I (最尤推定の考え方)
15	最尤推定 II (指数型分布族と最尤推定)

講義ノート

第 2・3 回

• 確率論の復習

第 4〜6 回

• 統計的推定

第 7〜11 回

• 信頼区間・仮説検定

第 12・13 回

• 回帰分析

第 14・15 回

• 最尤推定

成績評価

レポートと出席状況により総合的に評価する．

---