「21世紀における健康管理」を考える-2011

course
講師小池晃彦 教授
開講部局総合保健体育科学センター 2011年度 前期
対象者工学部:月曜3限情報文化学部(自然)・理学部/医学部/農学部:金曜1限 (2単位週1回全15回)

授業の内容

本講義の目的は、「栄養、運動、嗜好などの生活習慣に関する知識を与え、学生の自己管理をサポートすること」と、「社会人として必要な健康に関する知識を与えること」である。具体的には、生活習慣(病)、心肺蘇生法、感染症、社会保障制度、生命倫理等に関し、解説し議論をする。

20 世紀における科学の進歩は、医療を大きく変え、薬の開発、手術の進歩にとどまらず、臓器移植や細胞を使った治療など、半世紀前には夢物語に過ぎなかったことを現実にしつつある。このような生命科学の発見は素晴らしいものであるが、その科学知識の利用は、慎重に行わなければならない。また、このような知識・技術は、(例えば経済的優位性等によって)特定の人のためにのみに利用されるべきものではないと思われる。医療の平等性という観点からは、世界的な規模での人口の増加、貧富の差や健康格差等にも目を向け、社会的なつながりにおいて、健康を考える機会としたい。

授業の工夫

最新の医学的な情報も、わかりやすく紹介する。また、グループディスカッションや実習(血糖測定、アルコールパッチテスト、心肺蘇生のデモンストレーションなど)を通し、学生が主体的に学ぶようにする。

履修条件あるいは関連する科目等

なし

授業内容

  1. イントロダクション:生命科学の進歩と寿命の延長
  2. 生活習慣と病気:予防、喫煙、飲酒、薬物
  3. 肥満と糖尿病
  4. 健康診断:レントゲン検査、血液検査、心電図
  5. 心肺蘇生法と救急措置
  6. 加齢と関連しておこる疾病:癌、認知症、骨粗鬆症
  7. 老化
  8. 社会保障
  9. 生命倫理
  10. 運動について
  11. 感染症

教科書

なし

スケジュール

講義内容
1 学生の感染症、薬物乱用、セクシャルハラスメント問題
はしかなどの感染症対策、薬物の危険性、セクシャルハラスメント問題について概説
<豊田講堂での一斉講義>
2 学生生活における人間関係(メンタルヘルス)
学生生活における、最近の人間関係のあり方(クラブ活動の低迷、インターネットの依存など)、時に陥る無気力状態について概説
<豊田講堂での一斉講義>
3 健康と老化:健康であるとは?老化はなぜおこるか?
4 高齢社会:高齢者、高齢化社会とは何か?社会保障とは何か?
5 生命倫理:安楽死とは何か。医療はどこまで許されるか?
6 加齢と関連しておこる疾病:癌、認知症、骨粗鬆症とは?
7 生活習慣と病気:肥満、糖尿病、高血圧など
8 健康診断と心肺蘇生:レントゲン検査、血液検査、心電図、AEDなど
9 老化・病気予防と運動

講義ノート

1.イントロダクション

2.生活習慣と病気

3.肥満と糖尿病

4.健康診断

5.心肺蘇生法と緊急措置

6.加齢と関連しておこる病気

7.老化

8.社会保険

9.生命倫理

10.運動について

11.感染症

成績評価

  • 授業時に行う小試験(50%)
  • レポート(50%)

期末試験は行わない。

参考資料

  • 日本版救急蘇生ガイドライン策定小委員会『救急蘇生法の指針』2005日本医師会
  • WMA(世界医師会)『医の倫理マニュアル』日本医師会
  • 小松秀樹『医療崩壊』2006朝日新聞社
  • 小田伸午『運動科学』2003丸善
  • 国立国語研究所「病院の言葉」委員会『「病院の言葉」を分かりやすくする提案2009』
  • 西本泰久他『カンタン救急蘇生』2008学研
  • 李啓充『アメリカ医療の光と影』2009医学書院
  • 国立大学法人保健管理施設協議会エイズ・感染症特別委員会『知っておきたい予防接種Handbook』2008

投稿日

November 24, 2014