講師 | 有田隆也 教授 |
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開講部局 | 教養教育院 2015年度 後期 |
対象者 | 文系学部、情報文化学部(自然)、理学部、農学部、工学部(II, IV, III系) (2単位・週1回全15回) |
この講義は、主にドイツ製のボードゲームやカードゲームを題材として、受講生同士がゲームを紹介しあい遊びながら、考えることの楽しさを味わってもらうことを目的としています。 ルールを読み、理解し、他の受講生に説明し、プレイし (勝ったり負けたりし)、戦略を考え、討論する、というように、盛りだくさんです。 他大学のごく一部でも囲碁、あるいは将棋を題材にした授業を行っているところがありますが、本講義の場合、海外の未知なゲームを扱う場合が多いので、受講生がまったく知識のないところから平等にスタートすることができますし、外国の文化を楽しめます。 ボードゲーム先進国のドイツでは毎年数百の新作が発表されています。 ゲームが扱うテーマは、思いつく限りの範囲をカバーしているといっても過言ではなく、ゲームのメカニズム自体も継続的に洗練がなされ、工夫されてきています。 この講義では、そのように多様な世界の一端を 20 種類程度のゲームで味わいます。
根本的な問題意識をここでほんの少しだけ述べましょう。 私は (特に日本の) 現代社会が直面する問題群の根底には、人と人のインタラクション (相互作用) における想像力の不足、欠如があるのではないかと考えています (ちなみに、私の専門は人間関係に限らずに様々なインタラクションから創発する現象を計算機の中の世界で起こして理解することです)。 ドイツのボードゲームは人と人との様々な状況における様々な種類のインタラクションについて考え、悩み、楽しむものです。 ワクワクするようなプレイを通じて、他人の立場に立って、他人の気持ちを想像する力をトレーニングすることができるのです。 そうしないと勝てませんので。 このような意味からも、受講生はもちろん、それ以外の人たちにも、いろいろな場面で、ドイツなどの質の高いボードゲームをプレイする楽しさを知ってほしいと心から願っています。
幸いなことに、このような私の問題意識やボードゲーム利用による教育効果は徐々に社会でも共有されるようになってきたようで、この授業やその実践に基づく知見は国内外のメディアで紹介されるようになってきました (北欧の大学が発行する雑誌への寄稿、テレビ番組での模擬授業の実施、テレビ番組へのコメンテーター出演など)。 この授業の受講生達には、この先いろいろな場面で受講体験を活かしてほしいと願っています。
基礎セミナーは大学教育への導入としてのリテラシー修得を意図しています。リテラシーとはあくまで手段であり、対象自体は既存の学問体系に収まる必要はなく、どうせならば、考える楽しさを十分味わえるボードゲーム、カードゲームを扱おうと考えたのがそもそものこの授業のモチベーションです。結果的には、受講生の方々から受講してよかったと一致して喜んでもらえているようで、講義後のアンケートもとても良好です。ただ、私としては、どうすればもっと充実するのだろうかと、試行錯誤の状態が続いています。
「海外のボードゲームを題材として、「調べる」、「考える」、「交渉する」、「表現する」ための基本的な能力と技術を身につける。」
受講生は、海外、特に、毎年数百ものオリジナルなボードゲームを生み出し独自の文化をつくっているドイツのボードゲームを担当し、ルールを理解し、他受講生にわかりやすく説明する。全受講生によるゲーム実習後、ゲームのメカニズム・戦略の分析や文化・教育的価値などの評価の結果を各自が発表し、全員で議論する。これにより、以下の獲得を目標とする。
ボードゲーム (コンピュータゲームではない) を題材にするので、戦略を考えたりプレイするのを楽しめる人を歓迎する。
有田隆也, "ドイツボードゲームの教育利用の試み -考える喜びを知り生きる力に結びつける- ", コンピュータ&エデュケーション (コンピュータ利用教育学会), Vol. 31, pp. 34-39, 2011.
商品名:ククカード
発行・発売:グランペールプロジェクト http://grimpeur.co.jp/
グランペールプロジェクトへのご連絡、ご要望は まで
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回 | 講義内容 |
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1 |
−「なぜボードゲーム?」 −自己紹介(教員、TA、受講生) −連絡方法の確認 |
2 |
−ククの紹介、全員によるゲームプレイ、議論、戦略の討論 −カードゲームの貸出し |
3 |
−カードゲーム2種の担当者のプレゼン、2グループに分かれてプレイ
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4 |
−カードゲーム2種の担当者のプレゼン、2グループに分かれてプレイ、議論
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5 |
−カードゲーム2種の担当者のプレゼン、2グループに分かれてプレイ、議論
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6 |
−カードゲーム2種の担当者のプレゼン、2グループに分かれてプレイ、議論
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7 |
−カードゲーム2種の担当者のプレゼン、2グループに分かれてプレイ、議論
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8 |
−カードゲーム2種の担当者のプレゼン、2グループに分かれてプレイ、議論
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9 |
−カードゲーム2種の担当者のプレゼン、2グループに分かれてプレイ、議論
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10 |
−協力型ボードゲームの3グループ (ランダム) に分かれてプレイ、担当希望ボードゲームのアンケート
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11 |
−協力型ボードゲームの3グループ (実力別) に分かれてプレイ、ボードゲーム3種のいずれかを全受講生に貸出し (ゲーム貸し出しにあたっての注意事項)
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12 |
−交渉ゲーム2種の教員のプレゼン (ハグルの紹介、たほいやの紹介)、全員によるプレイ、議論
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13 |
−3種のボードゲームの (担当者による) プレイ
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14 |
−3種のボードゲームの (担当者による) プレイ
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15 | −受講生によるレポート発表 (レポートの一部)、議論 |
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May 15, 2020