講師 | 河西秀哉 准教授 |
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開講部局 | 文学部/人文学研究科 2018年度 後期 |
対象者 | 文学部 (2単位・週1回) |
2016 年、天皇の退位問題が話題となりました。それ以降、象徴天皇制に関する議論や話題は新聞・テレビなどで盛んに取り上げられています。これを見ても、日本社会にとって、天皇制は重要な問題だということがわかります。そもそも、なぜ天皇制をめぐる議論が起こるのでしょうか。日本社会において、天皇とはどのような存在なのでしょうか。退位にはどのような意味があるのでしょうか。象徴天皇の「象徴」とは何なのか。こうした問題を、象徴天皇制の歴史を検討するなかで考えたいと思います。講義を通じて、私たちと天皇制との関係や今後の天皇制のあり方を、受講生自身が考えていくための素材を提供することが目的です。
内容とも関係しますが、象徴天皇制は現在、大きな変化に直面しています。そのため、数多くの報道がなされていますので、それらと講義の内容をできるだけ密接に関わらせながら、歴史を見ていきたいと思います。また、戦後を主に取り扱う現代史という分野は、日本史学の中でも方法論的にも未発達な部分があります。歴史研究における現代、そこでの史料の取り扱い方などについても講義の中では取りあげます。豊富なで多様な史料を示すことで、歴史学の研究方法についても学ぶことができるようにしたいと考えています。
その他は授業中に指示する。
1 象徴天皇制をめぐる現状と法制度
2 近現代天皇制研究の進展
3 皇太子明仁の誕生
4 象徴天皇制と皇太子教育
5 天皇退位問題と「人間宣言」
6 全国巡幸と日本国憲法の成立
7 象徴天皇像をめぐる相剋
8 「文化平和国家」の表象
9 青年皇太子の登場
10 ミッチー・ブーム
11 大衆化路線への反発
12 模索する皇太子・皇太子妃
13 昭和の終焉と「開かれた皇室」
14 「平成流」の天皇制
15 まとめ
テスト(レジュメなど持ち込み可)
講義を聞いて理解していたかを判定
天皇制について考察したかを判定
August 30, 2021