物性物理学V/物性物理特論3-2014

講師寺崎一郎 教授
開講部局理学部/理学研究科 2014年度 後期
対象者理学部物理学科4年生/理学研究科院生 (2単位週1回全15回)

授業の工夫

電気や熱が固体の中をどのように伝わるかということは、電磁気学、量子力学、熱・統計力学の基礎的知識を駆使することではじめて理解できます。その意味で、学部 4 年生や修士課程大学院生が基礎物理学を理解するよい練習の場となると同時に、より高度な研究への重要な礎となります。また、電気伝導率は絶縁体と金属で 10 の 30 乗も違います。様々な物理量の中でこれだけ大きさに差のある量は他になく、結晶の中で金属になるものと絶縁体になるものがあるのか、という問いは物性物理学の最も基本的な問題です。

本講義では、これまでの物性物理学の履修を前提とせず、固体の示す伝導現象についてなるべく平易に(しかし厳密さを損なわず)体系的な解説を試みます。皆さんには、学部 3 年までに学んだ電磁気学、量子力学、熱・統計力学の初等的知識を様々に組み合わせ、物質中の電気や熱の伝導性という問題に挑戦してもらいます。そのため専門知識を与えることよりは、学んだ理論をどのように現実の問題に応用するか、という方法論を学ぶことに重点を置きます。物性物理を専門としない(するつもりもない)学生・院生の聴講も歓迎します。

講義は 70 分程度の板書と、15 分程度のプロジェクタによるスライドから構成されます。スライドでは、板書で学んだ事柄が現代物理学でどのように発展・応用されているかを示し、学習事項を受講生の記憶に定着させるとともに、最先端研究の出発点を提示します。

授業の目標

固体の伝導現象は、電磁気学、量子力学、熱・統計力学の基礎的知識を駆使することではじめて理解される。 その意味で、学部 4 年生や修士課程大学院生が基礎物理学を理解するよい練習の場となると同時に、より高度な研究への重要な礎となる。また、電気伝導率は絶縁体と金属で 10 の 30 乗も違う。様々な物理量の中でこれだけ大きさに差のある量は他にない。本講義では、これまでの物性物理学 I~IV の履修を前提とせず、固体の示す伝導 現象についてなるべく平易に(しかし厳密さを損なわず)体系的な解説を試みる。電磁気学、量子力学、熱・統計 力学の初等的知識を前提とする。

本講義では、学部 3 年までに学んだ理論を様々に組み合わせ、物質中の電気や熱の伝導性という問題に挑戦する。そのため専門知識を与えることよりは、学んだ理論をどのように現実の問題に応用するか、という方法論を学ぶことに重点を置く。物性物理を専門としない(するつもりもない)学生・院生の聴講も歓迎する。

教科書

特になし

参考書

講義ごとに紹介

スケジュール

講義内容
1 金属中の自由電子
2 ホール効果とゼーベック効果
3 量子力学の導入
4 原子から結晶へ
5 バンド理論
6 ボルツマン方程式
7 金属の電気伝導
8 半導体の電気伝導
9 中野・久保公式
10 第二量子化入門
11 ハバード模型
12 モット絶縁体とモット転移
13 最先端のトピックス 1
14 最先端のトピックス 2
15 最先端のトピックス 3

講義映像

第 1 回前半

金属中の自由電子

映像(41:05)

第 1 回後半

最新の研究

映像(12:40)

成績評価

成績は出席とレポートで評価。レポート課題は年末ごろに発表する。A5 版の紙切れを各自で用意し、学籍番号、 氏名を明記した上で、当日の講義についての質問、感想などを書いて提出したものを出席とみなす。質問・感想 がないものは欠席とみなす。


投稿日

May 02, 2020