論理的思考は文化が創る―比較教育研究35年の歩みと展望ー

2025年度 退職記念講義

講師渡邉 雅子 教授
渡邉 雅子 教授
開講部局教育学部/教育発達科学研究科
日時2026/2/20 15:00-16:30
場所教育学部棟 大講義室
渡邉 雅子 教授
講師渡邉 雅子 教授
開講部局教育学部/教育発達科学研究科
日時2026/2/20 15:00-16:30
場所教育学部棟 大講義室

論理的思考は文化が創る―比較教育研究35年の歩みと展望

論理も、論理的に思考することも、世界共通で不変のものではありません。合理性や合理的行為もまた、文化によって異なるかたちをとります。私の研究は、留学先のアメリカで提出したエッセイが「採点不可能」とされた経験から始まりました。そこにあったのは「見えない文化衝突」でした。以来35年、このテーマに取り組んできました。課題は一貫して文化と思考法をいかに可視化するかという点にありました。まず作文実験を通して日米の論理と思考法の差違を「パターン化」し「数値化」しました。次にフランスを対象に15年にわたるフィールドワークによって、教育を通して論理が構築される「過程」を描きました。さらにイランを対象に加え、文化と論理の関係を「モデル化」し、価値に紐付けられた論理のあり方を明らかにしました。このモデルによって「文化(=論理)の4類型」を抽出し、教育にとどまらない多様な領域への応用可能性を示すことができました。
AIの時代にあっても、長く向き合える問いと出会い、試行錯誤の積み重ねから自らの方法を鍛え上げていく営みが研究の核心であることに変わりはありません。若き研究者の一人ひとりが、それぞれの研究の地平を切り拓いていくことを心より願っています。


講師紹介

渡邉 雅子(わたなべ・まさこ)大学院教育発達科学研究科 教育科学専攻 学校情報環境学 教授

学歴

  • コロンビア大学(ニューヨーク) 社会学研究科 社会学 1993年9月 - 1998年5月
  • コロンビア大学 東アジア言語文化学部 1988年9月 - 1991年5月

職歴

  • 名古屋大学 大学院 教育発達科学研究科・教授 2012年1月 - 現在
  • 名古屋大学 大学院 教育発達科学研究科・准教授 2007年5月 - 2011年12月
  • 国際日本文化研究センター・助教授 1998年10月 - 2007年4月
  • 東京大学社会科学研究所・研究支援推進員 1998年6月 - 1998年9月
  • コロンビア大学(米国)ティーチングアシスタント・リサーチアシスタント 1991年1月 - 1995年8月

取得学位

  • Ph.D.(博士、社会学) ( 1998年5月 コロンビア大学 )

研究キーワード

思考表現スタイルと比較文化,エリート教育比較,歴史と国語教育の国際比較,社会化,学校文化

所属学協会

  • American Sociological Association(ASA) 1993年5月 - 現在
  • International Association for Cross-Cultural Psychology 2010年1月 - 2017年12月
  • 日本教育社会学会 1998年7月 - 現在
  • 日本社会学会 1998年7月 - 現在
  • 日本教育学会 2012年7月 - 現在
  • 日本比較教育学会 2005年5月 - 現在
  • 日本カリキュラム学会 2006年12月 - 現在
  • フランス教育学会 2013年 - 現在
  • 日本国際バカロレア教育学会 2016年9月 - 現在

指導生によるお祝いの言葉

懇親会祝辞



クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
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投稿日

July 01, 2026