結核と芸術ー佳人薄命の系譜

2016年度 退職記念講義

講師福田眞人 教授
開講部局文学部/国際言語文化研究科
日時2017/2/14 14:45-16:15
場所文系総合館カンファレンスホール
講師福田眞人 教授
開講部局文学部/国際言語文化研究科
日時2017/2/14 14:45-16:15
場所文系総合館カンファレンスホール

悠然・泰然・超然

少年易老学難成 一寸光陰不可軽
未覚池塘春草夢 階前梧葉已秋風

まさにその通りだと思う。少年の頃ふと、やがて働き、老い、落魄の身となるのかと案じたものだが、案外、早かった。邯鄲の夢ではないが、早い。

それゆえに、やりたいように生きようと思っていた。やりたいように生きて、実は何者かによって軌道を敷かれていたようでもあり、また何か自然に生きたような気もする。実際、人に曳かれ、導かれて生きてきた。工学部(資源工学)での製鉄・圧延の専門から人文(比較文学比較文化)に鞍替えして、病(結核、梅毒)と医学の歴史を、定見もなく気の赴くままに研究してきた。名大にも 3000 冊の本を遺したらしい。もし可能ならば、恐らく沢山ある日本に 1 冊しか無い本も含めて、自分の蔵書をまとめて贈呈し、医学史の特別コーナーを作ってもらおうとも考えている。(なかなか厳しいらしい。)医学関係の本も 5、6 冊書いた。さらに 5、6 冊どころか、もっと書くだろう。虎は死して皮を残し、人は死して書籍を残す?世界に散った教え子も誇りか。

40 の国々を巡って人々に会ったが、まだまだある。どこまでも地を這い、空を飛び、海を越えて行こうと思う。旅に終わりはない。一時お邪魔した名大が懐かしくなることもあるだろう。お礼を申し上げる。いつか眩しく青い時計台を見上げてみたいものだ。しばしお付き合い戴いた方々にお礼。それからしばしのお別れ。再見!

講師紹介

福田 眞人 (ふくだ・まひと) 大学院国際言語文化研究科 日本言語文化専攻 教授

職歴

  • 名古屋大学大学院国際言語文化研究科・教授 , 1995 年
  • インド国デリー大学客員教授 , 2000 年 08 月
  • 日本学術振興会学術研究センター主任研究員 , 2010 年 04 月
  • 名古屋大学大学院国際言語文化研究科・科長 , 2013 年 04 月 ~ 2017 年 03 月
  • 名古屋大学国際教育交流部門国際言語センター長 , 2013 年 10 月 ~ 2017 年 03 月

取得学位

  • 工学修士
  • 文学修士 , 課程
  • 学術博士 , 東京大学 , 論文 , 1994 年 03 月

研究分野を表すキーワード

医学史、比較文化、結核、梅毒、文学、水の文化史

所属学会等

  • Society for the Social History of Medicine
  • 国際比較学会(International Conparative Liceratur Association)
  • 日本医学史研究会
  • 日本比較文学会
  • 明治美術学会

投稿日

May 04, 2020