隙間の生物学

2014年度 退職記念講義

講師田中利治 教授
開講部局農学部/生命農学研究科
日時2015/2/20 13:55-14:40
場所大学院生命農学研究科 第12講義室
講師田中利治 教授
開講部局農学部/生命農学研究科
日時2015/2/20 13:55-14:40
場所大学院生命農学研究科 第12講義室

最近思うこと

最近思っていることですが、大学における高等教育もすでに 100 年以上が経過し、変わる必要性が求められているのではないでしょうか。旧態依然とした講義形式から「考える授業」へと変わりつつあるようですが、世界で活躍する次世代を作るには、大学はどうあったらいいのでしょう?先進国では、社会全体がネオテニー化する傾向が強く、多くのことを他人の判断に任せ、適切な自己判断がしにくい人が増えています。リーダシップを持った人を育てるという考えに至りますが、本当にこれでいいのでしょうか? これは将来の展望が薄く、迷惑を考えずにわがままを押し通せる危険性を含んでいます。一方、多くの情報は個人に対して、無秩序に流れて来る時代になり、個人個人の判断が重要な時代になりつつあります。昔はテレビやラジオ・新聞を通して流れる情報は、その場での情報の共有性が存在し、お互いの話題として日常会話の中で自分の考え方を形成できたと思われます。しかし、現在はパーソナル端末が普通であり、個人個人に大量の情報が流れるかまたは勝手に切り捨てられ、ほとんど整理できない状態で情報が放置されています。このような中でどのような大学生に育ってもらうかは、この辺で論議してもいいのではないでしょうか。多くの人の意見を聞く態度を身につけ、様々な観点から物を見ることで、大量に流れてくる情報を的確に処理し、新たな観点を生み出せるような学生が必要とされているのではないでしょうか。

講師紹介

田中 利治 (たなか・としはる) 生命農学研究科教授

学歴

  • 1973 年 東京学芸大学 教育学部 特別教科教員養成課程理科専攻 卒業
  • 1975 年 03 月 東京学芸大学大学院 教育学研究科 理科教育 修士課程 修了
  • 1986 年 京都大学大学院 理学研究科 動物学 博士課程 修了

職歴

  • 北興化学工業株式会社 開発研究所 研究員, 1986 年 01 月 ~ 1990 年 12 月
  • 名古屋大学農学部 助手, 1990 年 01 月 ~ 1993 年 12 月
  • 名古屋大学農学部 助教授, 1993 年 01 月 ~ 1999 年 03 月
  • 名古屋大学大学院生命農学研究科助教授, 1999 年 04 月 ~ 2005 年 03 月
  • 名古屋大学大学院生命農学研究科教授, 2005 年 04 月

取得学位

  • 教育学修士, 東京学芸大学, 課程, 1975 年 03 月
  • 理学修士, 京都大学, 課程, 1981 年 03 月
  • 理学博士, 京都大学, 課程, 1986 年 09 月

研究分野を表すキーワード

  • 害虫防除、天敵、ポリドナウイルス、毒液、寄生蜂、生物間相互作用、毒物代謝機構

専門分野

  • 応用昆虫学
  • 昆虫生理学
  • 害虫制御学

所属学会等

  • 日本応用動物昆虫学会
  • Entomological Society of America
  • 日本農薬学会
  • 日本昆虫学会

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講義資料

隙間の生物学


投稿日

May 14, 2020