土壌微生物から農学国際協力へ、道半ば

人との出会い、農業の現場へ

1979 年 11 月に名古屋大学を離れ、ナイジェリアの国際熱帯農業研究所、日本の農林水産省農業研究機関や独立行政法人で研究し、2005 年 4 月、26 年ぶりに名古屋大学に戻りました。農学は実学で、農業生産を高めるために行う研究であることを在学中に学び、根粒菌研究のスタートがアフリカであったので、今でも農学は現場で通用する技術開発のための研究だと思っています。フィールド研究とはやや異なる観点ですが、現場への裨益ということから見れば共通しています。農学国際協力を途上国の現場の問題を解決するために農学を結集して取り組み、その中で国内外の若い人材を育成していくことと考え進めてきましたが、現地を知れば知るほど、農学だけに限らず、地学、地理学、GIS、文化人類学など学際研究でなければ解決できないことが分かってきました。一人ではできません。人と協力して初めてできることです。

これまで、アフリカでもアジアでも南米でも、もちろん日本の北から南まで多くの優れた人との出会いがありました。出会いがあればあるほど、現場の問題解決のために、みんなで力を合わせよう、そのためにはどういう仕組みがいいのかを考えるようになりました。研究室に留まっていない現場に立った研究が今も今後も重要で必要です。農学国際教育協力研究センターは我が国の拠点としてそれを牽引していくことができるセンターです。続く者に引き継いでさらに進めてもらいたいと思っています。

講師紹介

浅沼 修一 (あさぬま・しゅういち) 農学国際教育協力研究センター 教授

学歴

• 1968 年 04 月 岩手大学 農学部 農芸化学科
• 1972 年 03 月 岩手大学 農学部 農芸化学科 卒業
• 1974 年 03 月 名古屋大学大学院 農学研究科 農芸化学科 修士課程 修了
• 1977 年 03 月 名古屋大学大学院 農学研究科 農芸化学科 博士課程 単位取得満期退学

職歴

• 日本学術振興会奨励研究員, 1977 年 04 月〜1978 年 03 月
• 名古屋大学大学院農学研究科研究生, 1978 年 04 月〜1979 年 11 月
• 国際熱帯農業研究所 (IITA) Junior Scientist, 1979 年 12 月〜1981 年 11 月
• 国際熱帯農業研究所 (IITA) Associate Scientist, 1981 年 12 月〜1983 年 03 月
• 九州東海大学農学部講師 (1983/04-1983/08 IITA に派遣), 1983 年 04 月〜1986 年 03 月
• 農林水産省北海道農業試験場農芸化学部 主任研究官, 1986 年 04 月〜1988 年 09 月
• 農林水産省北海道農業試験場生産環境部 主任研究官, 1988 年 10 月〜1993 年 09 月
• 農林水産省九州農業試験場生産環境部 土壌微生物研究室長, 1993 年 10 月〜1998 年 05 月
• 農林水産省国際農林水産業研究センター 国際研究情報官, 1998 年 06 月〜2000 年 11 月
• 農林水産省国際農林水産業研究センター 企画調整部 研究企画科長, 2000 年 12 月〜2001 年 03 月
• 独立行政法人国際農林水産業研究センター 企画調整部 研究企画科長, 2001 年 04 月〜2003 年 10 月
• 独立行政法人国際農林水産業研究センター 沖縄支所長, 2003 年 11 月〜2005 年 03 月
• 名古屋大学農学国際教育協力研究センター 教授, 2005 年 04 月〜2015 年 03 月
• 名古屋大学名誉教授, 2015 年 04 月

取得学位

農学博士 , 名古屋大学 , 課程 , 1979 年 08 月

研究分野を表すキーワード

生物窒素固定、土壌微生物、植物栄養学、土壌学、農業・農村開発、国際協力

専門分野

• 植物栄養学・土壌学
• 環境農学

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講義資料

土壌微生物から農学国際協力へ、道半ば

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