宇宙天気研究をふり返って

2011年度 退職記念講義

講師菊池崇 教授
菊池崇 教授
開講部局宇宙地球環境研究所
日時2012/3/1 15:00-16:30
場所高等研究院1階カンファレンスホール
菊池崇 教授
講師菊池崇 教授
開講部局宇宙地球環境研究所
日時2012/3/1 15:00-16:30
場所高等研究院1階カンファレンスホール

宇宙天気研究を振り返って

1976 年に郵政省電波研究所(現独立行政法人情報通信研究機構 NICT)に奉職し、2005 年に名古屋大学に移って、地球近傍の宇宙空間で発生するオーロラや磁気嵐などの宇宙天気現象の研究をおこなってきました。36 年に及ぶ研究生活の締 めくくりの 7 年間を名古屋大学で送り、学生教育にも携わることができたことは実り多く楽しいものでした。NICT 時代には、南極に越冬したり、アラスカでレーダーを建設したり、 ブラジルに磁力計を設置するなど野外活動が多く、また、宇宙天気予報の業務にも従事しました。名大に移り、念願の宇宙天気の基礎的研究と学生の教育に専念する機会をいただきました。7 年という短い期間ではありましたが、大変実りある充実したものでした。

宇宙天気研究という性格上、太陽面現象からオーロラまで多くのデータに接し、それらの因果関係を推理するのは楽しいものです。何も知らなかった学生がそのうち専門家のように説明してくれるのを見るのも楽しいことのひとつです。おもしろい事象にもたくさん巡り会いました。最初に見たオーロラがコロラド州ボルダーの真っ赤なオーロラ、最近では、NHK 番組『宇宙の渚』に出演して見た宇宙ステーションからの実況中継オーロラが印象的でした。退職後もこれまでの経験を研究や教育に役立てたいと考えています。

世界的に見てもユニークな太陽地球間環境の研究所がますます発展されるよう願って止みません。

講師紹介


菊池 崇(きくち・たかし)太陽地球環境研究所教授

学歴

  • 1971 年 03 月 京都大学 理学部 地球物理 卒業
  • 1976 年 03 月 京都大学大学院 理学研究科 地球物理学 博士課程 単位取得満期退学

職歴

  • 郵政省通信総合研究所平磯支所・通信障害予報室・室長 , 1988 年 05 月 〜 1991 年 05 月
  • 郵政省通信総合研究所・企画調査部企画課・課長 , 1991 年 05 月 〜 1993 年 07 月
  • 郵政省通信総合研究所平磯宇宙環境センター・所長 , 1993 年 07 月 〜 1994 年 05 月
  • 独立行政法人情報通信研究機構電磁波計測部門・研究主管 , 2001 年 04 月 〜 2005 年 03 月
  • 太陽地球環境研究所・教授 , 2005 年 04 月

取得学位

  • 理学博士 , 京都大学 , 課程 , 1979 年 03 月

専門分野

  • 超高層物理学

受賞学術賞

  • 田中館賞 , 1992 年 04 月 , 地球電磁気・地球惑星圏学会

所属学会

  • 地球電磁気・地球惑星圏学会
  • 米国地球物理学会

講義資料

宇宙天気研究をふりかえって

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投稿日

March 25, 2020