2009年度 退職記念講義
講師 | 山脇幸一 教授 | ![]() |
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開講部局 | 理学部/理学研究科 | |
日時 | 2010/03/02 11:00-12:10 | |
場所 | 理学部B5講義室(B館501号室) |
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講師 | 山脇幸一 教授 |
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開講部局 | 理学部/理学研究科 |
日時 | 2010/03/02 11:00-12:10 |
場所 | 理学部B5講義室(B館501号室) |
益川さんの推薦で尾張の地名古屋大学に職を得たのは 1980 年のことだった。時あたかも、クォークの存在が確立し小林・ 益川理論を含む素粒子の標準模型が定着していった 1970 年代が終りを告げ、素粒子論の流れが標準模型を超える“より基本的な”理論の模索に向かっている転換期であった。
歴史は繰り返すというが、名大着任後の私は、1955 年に始まる坂田の複合模型がクォーク模型に発展し標準模型へと結実した成功のひそみに習って、いったん定着した標準模型の「素粒子」もさらに下部の構造を持つ複合粒子ではないかという複合模型の研究を始めた。以来 30 年にわたりこの道を歩んできた。その核心は 1960 年の南部の理論(ノーベル賞受賞論文)を基礎として、それをゲージ理論で定式化した益川・ 中島の理論(1974 年)を現代の複合理論に適用したものである。このアプローチの正否は今年本格稼働した LHC が近い将来答えを出すであろう。
この 4 月から益川さんを機構長とする新しい研究機構が発足する。私も定年後そこに特任の職を得ることになった。はからずもいましばらく名古屋大学とのおつきあいが続くこととなり、長いおつきあいの益川さんともまた新しい形でのおつきあいの始まりである。
三十年 夢追ふ日々の をはりかな
まだ覚めやらぬ 夢のかずかす
山脇 幸一(やまわき・こういち)理学研究科教授
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May 07, 2020