2008年度 退職記念講義
講師 | 飯田孝夫 教授 | ![]() |
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開講部局 | 工学部/工学研究科 | |
日時 | 2009/3/13 14:30-16:00 | |
場所 | 工学部2号館 南館4階 241講義室 |
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講師 | 飯田孝夫 教授 |
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開講部局 | 工学部/工学研究科 |
日時 | 2009/3/13 14:30-16:00 |
場所 | 工学部2号館 南館4階 241講義室 |
最近、「安全と安心」という言葉をよく目や耳にします。科学技術や社会のシステムに対する信頼の揺らぎが背景にあります。しかし、規制や罰則の強化に基づいた安心ではなく、信頼に基づいた安心感の醸成に努めるべきです。
工学研究科の放射線取扱主任者を 10 年以上担当してきました。学内の安全保障委員会委員や原子力委員会委員長として、大学内の放射線安全の確保にも努力してきました。約 10 年前のことです。工学部の放射線管理室に住宅建設関係者から電話がありました。名古屋大学の敷地境界近くに新築された住宅の購入希望者から、大学からの放射線の影響についての質問を受けているので、説明を求める内容でした。大学内の放射線利用の現状、敷地境界での年間最大被曝線量の見積もり、放射線の健康影響について説明をしました。原子力発電所や核関連施設のような大型施設だけが周辺住民の反対運動を受けると思いがちです。社会に有益な研究を行っているとの意識があっても、大学の周辺住民に影響のある事故を起こせば問題は顕在化します。このような問題は化学物質、バイオ、騒音等にも当てはまります。外部に危険な物質等を放出する可能性のある施設は、大学の敷地の端ではなく、できるだけ中央に設置すべきです。地域住民との問題の発生を避けるためには、日常的に緊密なコミュニケーションを取り、信頼のある関係の構築に心がける必要があります。
飯田 孝夫(いいだ・たかお)工学研究科教授
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March 26, 2022