都市と文明の歴史

講師恒川 和久 教授、中村 晋一郎 准教授
開講部局工学部/工学研究科 2024年度春学期
対象者学部1年生

授業の目的

古代から現代までの人類の都市文明の歴史を,自然条件,経済発展段階や社会背景に基づく都市の成長・衰退,環境衛生の問題と克服,交通などのインフラの形成,および建築の技術発展やデザインの傾向と関連させつつ概説し,都市の将来について考えるための基礎的知識の習得を図る.

到達目標

15回の講義を以下のように前・後半の2つにわけ,都市・建築にかかわる歴史的課題を自然・モノ・人の視点を通して理解し,都市・建築設計する行為が社会や自然に及ぼす将来の影響を予測・評価し,その当否を判断する能力を養う.
(前半3回)近代都市の発展サイクルとその背景にある途上国の基礎的課題を近代技術の歴史を通して認識する.特に都市計画史上の典型的な課題である交通技術の発展との関係を理解する.
(後半12回)西洋及び日本の歴史的都市の形態およびその形態を成立させてきた要因を,その背景にある自然条件や社会的条件,歴史的人物の考え方などの視点から理解し,人文・社会科学・芸術に関する基礎知識を学ぶ.

バックグラウンドとなる科目

高校レベルの世界史・日本史の知識を修得していることが望ましいが、未修得でも受講可能

授業の内容

第1週:都市計画史の概要〜名古屋の都市史
第2週:都市形態の歴史①西洋古代:アテネ・ローマ等
第3週:都市形態の歴史②西洋中世:ベネチア・シエナ等
第4週:インフラの歴史①古代文明及び中世の西洋のインフラ
第5週:都市形態の歴史③西洋ルネサンス・バロック:フィレンツェ等
第6週:都市形態の歴史④西洋19世紀:ロンドン・パリ等
第7週:都市形態の歴史⑤西洋近代:近代都市論:ニューヨーク等
第8週:インフラの歴史②19世紀・近代の西洋のインフラ
第9週:都市形態の歴史⑥日本古代~中世:平城京・平安京、都の変容
第10週:都市形態の歴史⑦日本近世:城下町・宿場町・門前町
第11週:都市形態の歴史⑧日本近世〜近代:江戸から東京へ
第12週:インフラの歴史③近世・近代の日本のインフラ
第13週:都市形態の歴史⑨日本近代の都市計画、震災・戦災復興、戦後
第14週:都市形態の歴史⑩_日本の都市空間:景観、形成原理,構成技法
第15週:現代都市の課題、新しい都市デザインの理念

授業の工夫

1年生最初の講義であることを考慮して、都市の歴史を概観すると同時に、都市や建築への関心を高めることを大きな目標とし、 講義では多くの写真や図面を見せているのとともに、現実の都市を見ることを奨めている。

教科書

都市史図集編集委員会編『都市史図集』彰国社
講義概要および図版を掲載したハンドアウトを配布する

授業時間外学習の指示

後半の講義では,授業後に小テストを課す。詳細はTACTにて指示する。

講義資料

  1. 都市計画史の概要〜名古屋の都市史
  2. 都市形態の歴史①西洋古代:アテネ・ローマ等
  3. 都市形態の歴史②西洋中世:ベネチア・シエナ等

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
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投稿日

February 13, 2025