微分積分学Ⅰ-2015

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講師山上滋 教授
開講部局教養教育院 2015年度 前期
対象者理学部1年生 (2単位週1回全15回)

授業の内容

以下の授業内容は標準的に教えられるものであり,講義の順序を示すものではない.また,クラスによっては,さらに進んだ内容が教えられる場合もある.実際の講義予定は別に提示する.

1.数列・関数の極限と連続性
数列・関数の極限に関する基本的事項と連続関数の基本性質を学ぶ.
(キーワード)数列・関数の極限,有界単調数列の収束定理,連続関数の基本性質とその応用
(発展的内容)実数の連続性・完備性,区間縮小法,収束・発散の速さの評価,ε− N論法,ε−δ 論法

2.一変数関数の微分法
微分の基本的性質およびその解析・幾何・物理的な意味について理解する.さらに,微分法を用いて関数の様々な性質について調べられるようにする.
(キーワード)微分の定義と幾何的意味,導関数と基本公式,初等関数の逆関数とその導関数,平均値の定理,高階導関数,テイラーの定理,不定形の極限
(発展的内容)接線,平均値の定理の応用,極値問題,近似計算と誤差の評価,漸近展開,(無限次)テイラー展開,べき級数の収束半径,凸性

3.一変数関数の積分法
リーマン積分を通して定積分を理解する.さらに,広義積分について学習する.
(キーワード)区分求積法,定積分,不定積分,微積分学の基本定理,広義積分
(発展的内容)種々の関数の積分法,部分分数展開,連続関数の積分可能性,曲線の長さ,広義積分の収束発散の判定,ガンマ関数,ベータ関数,直交多項式

授業の工夫

上につけた授業の内容は、数学担当教員間で統一された「共通シラバス」というもので、
これはこれで「素晴らしい」のであるが、時とともに学生の気質というか資質というか、その変化も大きく、それに対応すべく、扱う項目のみならず、その順序も大胆に組み替えた。
具体的には、微分と積分が交互に出てきて、それの綾なす様が見えるようにした。
微分も積分も、高校である程度のことは学んでいるはずのものであるから、
それの有機的な復習から始めて、実数論の技術的なところは触れず、一方でその前提となる不等式あるいは評価式の経験が積めるようにした、つもりである。
こういう楽屋裏は明かすべきでないという意見もあり、実際、受講生にとってはどうでも良いというか、自慢すべきことでもないのであるが、「授業の工夫」を披露することがここでのしきたりであるということで。

本授業の目的およびねらい

定量的変化を記述・分析する数学の分野が解析学であり,その中心的方法は微分・積分である.これらの方法は自然科学において必須の研究手法であるが,近年はさらに社会科学などにも広く応用されている.本科目は通年講義の前半として,一変数微分積分学の基本を理解することを目的とする.特に極限の本質を理解し,対数関数・三角関数など初等関数の自在な解析学的取扱いができるようになることを重視する.

履修条件あるいは関連する科目等

高校数学の内容を既知とする.微分積分学IIとあわせて完結した講義となる.

注意事項

1時間の授業に対して、2時間の自主学習が想定されているという。

参考書

http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~yamagami/teaching/calculus/tenarai2015.pdf

本授業に関する参照 Web ページ

http://www.math.nagoya-u.ac.jp/~yamagami/teaching/teaching.html

講義資料

微積分 Ⅰ

成績評価の方法

中テスト3回(各20%)+期末テスト(40%)の合計点で評価する。
受けた試験の配点の合計が総配点の6割に達しない場合は欠試の扱いとする。


投稿日

January 23, 2018