第二言語習得研究概論a-2016

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講師林誠 准教授
開講部局文学部/国際言語文化研究科 2016年度 前期
対象者大学院生 (2単位週1回全15回)

授業の内容

教室内・外での言語習得のプロセスを理解するためには、教師と学習者、学習者と学習者、あるいは学習者と地域コミュニティの母語話者がどのようなインタラクションを行っているかを詳細に分析する必要があります。本概論では、そうした対人コミュニケーションのプロセスを分析するためのツールとして社会学の分野で確立された「会話分析」(Conversation Analysis)の方法論について学びます。まず、会話分析の理論的背景や基本的な考え方を押さえたあと、日常会話の構造を分析するためのさまざまな切り口を紹介し、各自が収集した具体的な会話データを分析できる素地を養成します。

授業の工夫

「日常会話の分析」と言うと一見とっつきやすく思われがちですが、実際の会話データを眺めてみると極めて雑多な振る舞いの羅列のようにしか見えず、どのように分析に切り込んでいけばいいのかわからないということがよくあります。私の授業では、まず会話分析の理論的・方法論的背景についての文献を講読し、雑多に見えるデータに切り込む分析的視点を学びます。しかし、文献を読んで分析的視点を学ぶだけで、実際の会話データを目の前にしたときにすぐに分析ができるようになるわけではありません。ですから、私の授業では文献講読と並行して、実際の会話データを分析するハンズオンの練習課題を毎週課し、分析のトレーニングを行います。こうしたトレーニングを通して、文献で学んだ知識を実際に運用する力を養います。

授業の目標

日常会話の構造を分析するための分析的視点を学び、実際の会話データを分析できる力を養成する。

授業の流れ

  1. 導入

  2. 前回のデータ分析練習課題の討議

  3. 文献についての講義

  4. 授業内でのデータ分析練習

  5. 次週までの課題の提示

教科書

『会話分析入門』串田秀也・平本毅・林誠共著(近刊)勁草書房

参考書

授業内で随時紹介

履修条件

特にありませんが、英語の文献も扱うので、それに対応出来る英語読解力が必要です。

講義ノート

会話分析から見た第二言語習得研究

成績評価

  1. 平常点(授業中の発言・討論への参加) (40%)
  2. データ分析課題 (40%)
  3. 期末レポート (20%)

投稿日

May 08, 2020