生物情報工学-2015

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講師中野秀雄 教授
開講部局農学部/生命農学研究科 2015年度 後期
対象者農学部応用生命科学科3年 (2単位週1回全15回)

授業の内容

現在、生命科学分野は、遺伝子の一次配列情報、遺伝子発現情報や、蛋白質・核酸の立体構造情報など、様々な情報がデータベース化されており、その量は毎年凄まじい勢いで増大しています。現代生物学およびそれと関連する学問領域において、それらのデータベースにアクセスし、情報を正しく収集し、それを科学手的に解析することは、必要不可欠な技術と言ってよいでしょう。

本講義では,これら生物情報工学の基礎となる概念・手法の中で、主にデータベース検索、遺伝子配列情報に対する相同性解析,およびゲノム解析に関して解説します。また 立体構造データベースの利用,および分子グラフィックスについて解説します。

最大の特徴は、実際にコンピューターを用いた実習形式の授業を行っていることです。ともすれば教科書からの一方的知識の積み上げになりがちな生命現象を、コンピューターの力を借りることで、「手のひらの上で転がしてみる」体験をすることにより、より一層理解が深まることを期待しています。

授業の工夫

本授業は、すべて PC 室で、一人 1 台の PC を用いて行います。最初にパワーポイントを用いて解説した後、各々で課題を行うことで、理解を深めます。パワーポイントファイルは予めサーバーにアップロードしてあるので、学生はいつでも戻ってやり方を確認しながら課題を進めることができます。また TA が常に待機し、学生のサポートを行っています。

卒業研究にも使えるような実践的な課題に取り組むことで、学習意欲が継続し、生命現象に対する理解が深まると考えています。

授業の目標

本講義では、生命工学一般への計算機科学の応用について、基礎となる概念、手法を講義するとともに、実際にコンピューターを用いた実習を通じて理解を深める。

授業の概要

遺伝子工学に対するコンピューターの応用として、遺伝子配列解析の手法について解説する。さらにデータベースに蓄積された配列情報に対するホモロジー解析、それを利用した生体分子の構造予測と機能解析、およびゲノム解析に関して解説する。次に蛋白質工学に対する応用として、構造データベースの利用、および分子グラフィックスについて解説する。各々の解説の後、コンピューターを用いた実習を行う。

具体的な講義内容

  1. 生物情報工学概論
  2. 文献・特許データベース
  3. 遺伝子データベース
  4. 遺伝子解析のためのツール
  5. ゲノムデータベース
  6. 遺伝子の探索と遺伝子の機能予測
  7. DNA 配列の中から遺伝子を探す
  8. アラインメントと系統樹作成
  9. 遺伝子解析ソフトの使い方
  10. システムバイオロジー入門:KEGG の使い方
  11. 立体構造のグラフィックス表示ソフトの使い方
  12. 立体構造データベースの利用
  13. 蛋白質の構造と機能 (DNA 結合蛋白質を中心として)
  14. 蛋白質の構造と機能 (酵素の構造と機能について)
  15. まとめ

教科書

なし

参考書

バイオデータベースとウェブツールの手取り足取り活用法 (羊土社)

関連性のある科目

遺伝子工学、分子生物学 1、分子生物学 2、生物反応工学、生命物理科学 1,2

履修条件

サテライトラボで PC を使用するので、ID とパスワードを用意しておくこと。

講義資料

第 1 回

第 2 回

第 3 回

第 4 回

第 5 回

第 6 回

第 7 回

第 8 回

第 9 回

第 10 回

第 11 回

第 12 回

第 13 回

第 14 回

成績評価

  • 出席,レポート等の平常点 (100%)で総合的に評価する。
  • 履修取り下げ制度を採用する。
  • 授業を 4 回欠席した場合には「欠席」と判定する。

投稿日

April 29, 2020