中級フランス語2-2008

講師奥田智樹 准教授
開講部局教養教育院 2008年度 後期
対象者文学部/経済学部 (2単位週1回全15回)

授業の内容

1年次に学習したフランス語を基礎にして、フランス語の文章の読解能力、フランス語による表現能力の向上をはかる。また、フランス語圏の社会・文化について一層深い理解を獲得できるようにする。

授業の工夫

語学の授業は教員から学生さんへの一方通行であってはならず、両者が貢献しあいながら作り上げていくものだと思っています。そのために皆さんがリラックスして意欲的に授業に参加できる雰囲気作りを大切にしています。まず毎回の授業の冒頭では、教室の空気が少しでも和むように、フランスに関する時事的なお話を 10 分ほどしています。また授業中には、皆さんの集中力に配慮して、テキストの講読は長くても1時間程度にとどめて、その後は劇のための発音練習などを行なうことにしています。さらにこの発音練習の際には、私が教室を回って皆さん一人一人と接する機会を必ず設け、フランス語に関する質問や授業についてのご意見やご要望を伺うようにしています。もちろん皆さん全員の顔と名前はなるべく早く覚えて、指名する際には必ずお名前をお呼びするように心がけています。

学習成果

台本

劇の台本は本文の会話部分を抜粋して作ったものです。

フランス語劇

3 つのグループによるフランス語劇の実演をご覧いただけます。(Flash Video 形式)

授業内容

ゴシニーの文にサンペが絵をつけた、日本でも有名なプチ・ニコラシリーズの中から何編かを選んで読む。子供たちのわんぱくぶりをテーマにした物語はどれもとても微笑ましく、テキストにはかわいいイラストもちりばめられていて、童心に返って楽しくフランス語が学べると思う。授業では、本文の講読の他、内容についてのフランス語での質疑応答や、本文の間接話法から直接話法への書き換え練習などを行なう予定なので、人称代名詞や動詞の時制を中心とする初級文法の総復習にもなるはずである。さらに、話す力の養成のため、学期中に 2 回ほど、受講者の皆さんに、本文を応用した劇を披露していただきたいと考えている。

履修条件

文学部、経済学部の学生を対象とする。

教科書

『海辺のプチ・ニコラ』窪川英水編 芸林書房 (コピーを配布する)

参考書

なし

課題

スケジュール

講義内容
1 イントロダクション
2 話法の変換を中心とする練習問題、テキスト講読
3 劇のためのグループ分け、配役および実演の順序の決定、テキスト講読
4 テキスト講読、劇のための発音練習
5 演習プリント、テキスト講読、フランス語の歌
6 テキスト講読、劇のための発音練習
7 テキスト講読、劇のための発音練習
8 劇の実演 (第1回)
9 演習プリント、テキスト講読、フランス語の歌
10 テキスト講読、劇のための発音練習
11 テキスト講読、劇のための発音練習
12 演習プリント、テキスト講読、フランス語の歌
13 テキスト講読、劇のための発音練習
14 劇の実演 (第 2 回)
15 書き取りの練習問題

講義ノート

テキストは単に読むための教材としてだけではなく、話したり書いたりするための教材としても使います。そのために、次の4つの事項を織り交ぜながら授業を進めます。

  1. テキストの本文の講読 あらかじめ次の授業で進むテキストの範囲を指定しておきますので、全員が予習をしてきてください。その前提で毎回座席順に全員に指名して、一人 2〜3 文ずつ訳していただきます。その際には逐語訳にはあまりこだわりませんので、単語や構文をきちんと把握した上で、日本語で分かりやすく言うとどういうことなのかを説明してください。

  2. 配布プリントを用いたフランス語での表現演習 フランス語での質問応答形式の問題と自由仏作文形式の問題からなる演習プリントを、テキストの各章の終わりに宿題として課します(計 3 回)。このうち質問応答形式の問題については、2 週間後の授業で答え合わせを行います。自由作文形式の問題についてはレポート として提出していただき、こちらで添削した上で返却いたします。この後者の問題の内容は、例えば次のようなものです。

    • 第 1 回 片道会話 Nicolas と Maman の会話で Maman のせりふだけが書かれており Nicolas のせりふの部分は空欄になっている問題をお配りしますので、皆さんは Nicolas になったつもりで、会話の流れが自然になるように Nicolas のせりふを作ってください。

      片道会話(演習問題)

    • 第 2 回 手紙文 Nicolas は Papa が大切にしていた花瓶を割ってしまいました。皆さんは Nicolas になったつもりで、Papa にお詫びの手紙を書いてください。

    • 第 3 回 将来の夢 皆さんの将来の進路に関する希望を、自由に書いてください。 このように、回を追うごとに皆さんに書いていただく分量を増やしていく形にします。

  3. 劇の練習および実演 学期開始の早い段階で本文の会話部分を抜粋して作った劇の台本を皆さんにお配りし、同時に 3 人ずつのグループ分けを行ない、各グループに配役 (Papa, Maman, Nicolas) を決めていただきます。そして、毎回の授業の最後の 15 分くらいを利用してその台本の発音練習を行ない、ご自分のせりふを覚えていただきます。そして学期中に 2 回、教壇をステージにして全員の前で実際に劇を演じていただきます。原則としてもとの台本のせりふは尊重していただきたいのですが、脚色のご希望があればご遠慮なくおっしゃってください。

  4. その他折に触れて、フランス語の歌やフランス語の早口言葉を用いた伝言ゲームなども取り入れたいと思います。フランス語の歌としては、これまでには、日本でも耳にすることの多い Les Champs-Élysées (オー・シャンゼリゼ)、Tous Tous Pour Ma Chérie (シェリーに口づけ)、Irrésistiblement (あなたのとりこ)などを一緒に歌いました。

成績評価の方法

平常点と学期半ばのレポート、および学期末の筆記試験による。


投稿日

May 08, 2020