工学部 化学・生物工学科の3年生を対象に行われた「有機化学実験第2」を取材しました。この実験では、これまでに履修した有機化学の授業で学んだ様々な反応を実際に目の前で見ることができ、学生はひとつひとつの反応や変化を確かめながら実験をしていました。毎週、有機化学系の研究室が独自のテーマを用意し実験が行われ、4年次の研究室配属に向けた第一歩としても重要な実験となっています。
工学部 化学・生物工学科の3年生を対象に行われた「有機化学実験第2」を取材しました。この実験では、これまでに履修した有機化学の授業で学んだ様々な反応を実際に目の前で見ることができ、学生はひとつひとつの反応や変化を確かめながら実験をしていました。毎週、有機化学系の研究室が独自のテーマを用意し実験が行われ、4年次の研究室配属に向けた第一歩としても重要な実験となっています。
この日は、クロスカップリングと呼ばれる反応を行いました。この反応は、現在様々な化合物を合成するために頻繁に用いられる反応で、その一部は過去にノーベル化学賞も受賞しています。この実験では、その先駆けとなった、熊田・玉尾・コリューカップリングと呼ばれる、歴史的にも重要な反応を行いました。
実験室の様子。この反応に用いる物質は空気と反応してしまうため、風船を用いて容器内に窒素を充満させていました。有機化学の実験では反応に数時間を要することも珍しくありません。
実験に用いた触媒。触媒は、効率よく反応を進める役目を持ちます。実験に用いる物質は、扱い方によっては危険なものも多く、学生は2年次に半年かけて安全に関する教育を受けます。
反応中の様子。反応中には、温度や色などに変化が現れることがあり、学生はよく観察しながら反応の様子を記録していました。
別の日には、合成繊維などに用いられる高分子化合物を合成する実験が行われました。高分子化合物は、プラスチック製品や合成繊維をはじめ、非常に広い分野で私達の生活に欠かせない物質で、これに関する研究が盛んに行われています。
これはナイロン-6と呼ばれる物質を合成している様子で、試験官の中で反応が進み、ピンセットで引き出すと糸状の繊維を取り出すことができます。
これはナイロン-6,10と呼ばれる物質を合成している様子で、2種類の液体の境界で反応が進み、そこにできた膜をつまむことで、こちらも糸状の繊維を取り出すことが出来ます。
実験の一部を担当された三宅先生に、お話を伺いました。
実験の様子。