メッセージ
身近なものを物理的にとらえることを通じて、物理に関する固いイメージをなくしてもらえたら、と思います。
科学でなにができるのか。大学ではどのような研究が行われているのか。理学部の学生がその一端を見せてくれます。『名大の授業』ではその取り組みを取材しました。ようこそ、科学の世界へ。内容および出展者の所属・学年は2011年度のものです。
ブーメランがどのように飛んでいるのかを考えたことがありますか?その仕組みには揚力という力とブーメランの「回転」がとても大きな働きをしています。ブーメランはなぜ落ちないのか?どうして手元へ戻ってくるのか?今回はブーメランの描く軌跡の理由を基礎的なところから説明していきたいと思います。また実際に紙でブーメラン作って飛ばしてみるので興味のある方はぜひブーメランを作りに 来てください。
コンピュータを用いたシミュレーションにより,分子の運動を再現し、物質の性質を理解することができるようになってきました。そのようなシミュレーションは物理や化学の問題を解決することを助け,また,私たちに欠かせないタンパク質などの生体分子に応用されて、薬を開発する際の方法のひとつにもなってきています。今回は、そのようなタンパク質におけるシミュレーションの動画を見ていただき、最新の研究を楽しんでいただけたらと思います。
私たちを構成している物質の最小構成要素は何でしょうか?それが素粒子であり,素粒子理論研究のゴールです。何が素粒子かという答えは,科学技術の進歩によって変わっていきます。100年ほど前ならそれは原子であり,しかし時代が進むと陽子や中性子が素粒子に,今ではクォークと呼ばれる粒子こそが素粒子であると考えられています。
私たちのポスターでは,この素粒子について簡単に解説します。素粒子は今や宇宙を語る上でも非常に重要な要素になっています。素粒子に興味を持っている方はもちろん,宇宙に興味を持っている方もぜひ気軽に来てください。
タンパク質は生まれて、成長し、働き、そして分解されますが、これはまるでわれわれの人生のようだと思いませんか?タンパク質が、細胞内のいくつものゲートを通って正しい場所へと移動していく様子は、まるでタンパク質が就職活動しているようにも感じられます。グレた(正しい立体構造をとれなかった)タンパク質は、シャペロンとよばれる細胞内の保護観察官の助けを借りて更生(正しい立体構造をとる)されます。サイエンスカフェでは、このような素晴らしい細胞内の機能について、わかりやすく説明したいと思います。
経済物理学という学問をご存じだろうか。これは経済を物理学というツールを用いて解析しようというものである。何故物理で経済?と思う人がいるかもしれないが、物理学と経済学とは意外と多く関係を持っている。分かり易い例として、アダム・スミスの「需要と供給は均衡する」という考え方を挙げてみよう。物理学を知っている人間なら、この考えはニュートン力学に由来していることはなんとなく予想できるだろう。実際に「需要と供給」の考えは18世紀に生まれた考えである。この頃、世界では古典力学全盛の時代であり、あらゆるものの動きは力学で説明できると信じられていたらしい。また、経済学で19世紀からでてきた等分配則、最大値原理などのキーワードも物理学で当時盛んに使われていた概念である。本展示は物理学を使う利点、利用法、その結果どうのような事が見えてくるかなどをできる限り分かり易く説明するものである。
皆さんにとって「数学」とはどういうものだったでしょうか。高校の数学が好きな人も嫌いな人も、得意な人も苦手な人もいるでしょう。ただ、大学からの数学は趣がガラリと変わります。ここでは学部三年次に制作するポスターを多数展示しています。新入生が一目見て理解できる代物ではありませんが、それでも充分に数学の世界を垣間見ることができます。今まで抱いてきた数学への思いを一旦忘れて、真っ白な心で数学の世界を眺め、その広さを感じて下さい。気になったことがあれば近くで暇そうにしている先輩に声を掛けて下さい。彼らは数学の世界の住民ですが、怖い人ではありません。どうぞお気軽に。
円は最も基本的な図形の一つで、紀元前から研究されてきた数学的対象です。みなさんも小学校の算数以来、中学校の初等幾何学や、高校の座標幾何学、三角関数など、円に親しんでこられたかと思います。大学で学ぶ数学でも、円について新しい側面を学ぶことになりますし、実は、円についてまだ分かっておらず、研究されている話題もまだまだあります。そんな中からいくつかのトピックをご紹介しようと思います。
環境学研究科は、理学部の上にある大学院です。様々な学問分野が統合し、地球環境について研究を深めています。私たちシステム学講座の研究分野は、主にリモートセンシングやモデルシミュレーション。更にはフィールド調査も行う等、多岐にわたっています。様々なスケールで地球の物質循環を捉え、地球環境を科学する。1つの概念に囚われたくない方、漠然としてるけど、環境って言葉には興味があるという方、是非一度、私たちのブースへいらしてください!
新入生の皆さん、サイエンスの世界へようこそ。私たち地球化学講座は、地球・宇宙・環境に関する様々な事象について化学的な手法を用いて明らかにしようとしています。つまり、「地球を化学の目で見る」という姿勢で、サイエンスの世界を走り回っているってわけです。実験、データの整理、毎日がスリルの連続。今私たちが味わっているスリルについて、具体的な事例を交えてお伝えします。