2015年度 退職記念講義
講師 | 稲葉伸道 教授 |
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開講部局 | 文学部/人文学研究科 |
日時 | 2016/3/12 14:00-15:30 |
場所 | 文学部237講義室 |
講師 | 稲葉伸道 教授 |
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開講部局 | 文学部/人文学研究科 |
日時 | 2016/3/12 14:00-15:30 |
場所 | 文学部237講義室 |
1973 年 4 月に大学院文学研究科の修士課程に入学して以来今年 3 月の退職まで、私の名古屋大学での生活は 43 年及びます。初めは大学院生として、1980 年に助手となってからは教員として、同じ文学部に通いました。文学部の建物は耐震改修されましたが、骨格は 40 年前と変わりません。三階の暗い廊下を歩いていると、ふと、40 年前のまだ何になるのか解らない自分に出会う気がします。
当時の国史学研究室(現在の日本史学研究室)は学問研究には厳しく、それでいて、自由な雰囲気がありました。それは多分、文学部だけではなく、名古屋大学全体が持っていたものだったのかもしれません。戦後歴史学の閉塞状況を打破する新しい歴史学のうねりが名古屋で生まれ始めており、その昂揚感が 2 年の修士課程で終える予定であった私を、何の迷いもなく学問を一生の仕事とする道に進ませました。
以来、40 年余、大学自身も大学を取り巻く環境もずいぶん変わりました。とくに、独法化後の変化はとても大きなものがあります。二度目の文系組織改編も迫ってきています。これからも、さまざまな試練を克服し、教職員と学生が共に学問を通じて、人類の過去・現在・未来を自由に語ることができる大学であることを願ってやみません。
稲葉 伸道 (いなば・のぶみち) 大学院文学研究科教授
April 29, 2020