2015年度 退職記念講義
講師 | 上羽牧夫 教授 |
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開講部局 | 理学部/理学研究科 |
日時 | 2016/3/7 13:00-14:30 |
場所 | B501 (B5講義室) |
講師 | 上羽牧夫 教授 |
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開講部局 | 理学部/理学研究科 |
日時 | 2016/3/7 13:00-14:30 |
場所 | B501 (B5講義室) |
1973 年の修士課程入学から職を求めて海外へさまよい出るまでの 7 年半、米国、フランス、仙台を巡った後 1992 年に教員として戻ってから 24 年、通算 31 年半を名古屋大学にお世話になりました。まことに感謝の一語に尽きます。
入学当時、若い大学の持つ「自由闊達で清新な学風」は、その後の研究の基本姿勢を作ってくれました。外国に渡ってから、結晶成長理論という物理学の中では少々変わった分野に足を踏み入れることになりました。外の世界に触れ、違った空気を吸うことは、研究者として人間として視野を大きく広げることになります。若い人にはぜひ長期に国外に出ることを勧めます。
名大に戻ってからは、教員として研究指導に当たることになりました。日々の雑用 (と呼んではいけない) に埋もれて萎えそうになる研究意欲をリフレッシュし、成果を上げてくれたのは共同研究者としての学生諸君でした。結晶表面の観測手段の進歩によって理論と実験の対比が可能になり、結晶形態形成の物理学は大きく発展しました。それに私もささやかながら寄与することができたのは幸せなことです。ポスドク時代の恩師 (今も現役研究者) に定年退職のことを伝えたところ、ある人の言葉として「Never stop doing what you are doing」という老後へ向けたアドバイスを送ってくれました。今後もこの言葉を座右に自分にできる教育研究に励みたいと思っています。
上羽 牧夫 (うわは・まきお) 理学研究科教授
結晶成長とパターン形成の物理 ― 1973-2016 を振り返って ―
April 29, 2020