甲状腺学と三十三年間-研究を続ける切っ掛けとなったいくつかの出来事

2013年度 退職記念講義

講師村田善晴 教授
開講部局環境医学研究所
日時2014/3/28 16:00-17:00
場所環境総合館 1F レクチャーホール
講師村田善晴 教授
開講部局環境医学研究所
日時2014/3/28 16:00-17:00
場所環境総合館 1F レクチャーホール

環境の良い医学研究所での 30 年間

私は、1976 年金沢大学医学部卒業後、しばらくは臨床に従事してきましたが、1981 年シカゴ大学への留学を機に研究に携わることになりました。そして、留学中に名大環境医学研究所(環研)からお誘いがあり、1984 年から約 30 年間環研で医学研究を続けてきました。1997 年には教授に就任しましたが、翌年松尾総長により招集された「名大の将来を語る会」の第 1 期メンバーの一員として加わることができ、医学部のみならず、文系・理系を問わない様々な分野の方々と交流が始まりました。この交流は私にとっては今でも大きな財産となっています。

研究に関しては、私は一貫して甲状腺学に関わってきましたが、環研の「使命・目標」、すなわちミッションは大きく変わってきました。私が赴任した頃は「宇宙医学に代表される特殊な物理環境下の健康科学」を掲げていましたが、国立大学法人化に合わせて「近未来がもたらす健康障害のメカニズム解明と予防法開発」に変更し、先頃の「ミッションの再定義」の際は、「創薬」をキーワードにしたミッションを掲げています。しかし、変わらないのは環研が「環境の良い医学研究所」という事実です。この 30 年間、研究所の施設・機器の充実は目を見張るものがありますし、何より窓から見える四季折々の風景に随分と癒やされてきました。このような素晴らしい環境で医学研究に携わることができて本当に幸せでした。

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講師紹介

村田 善晴 (むらた・よしはる) 環境医学研究所教授

学歴

  • 1976 年 03 月 金沢大学 医学部 医学科 卒業

職歴

  • 国立名古屋病院内科研修医 , 1976 年 06 月 〜 1978 年 03 月
  • 静岡県農業協同組合連合会遠州総合病院内科医員 , 1978 年 03 月 〜 1979 年 03 月
  • 浜松医科大学医学部第三内科医員 , 1979 年 04 月 〜 1981 年 03 月
  • シカゴ大学医学部リサーチアソシエート , 1981 年 03 月 〜 1984 年 08 月
  • 名古屋大学環境医学研究所, 1984 年 08 月 〜 2014 年 03 月

取得学位

  • 医学博士 , 論文 , 1989 年 02 月

研究分野を表すキーワード

  • 甲状腺ホルモン、遺伝疾患、発症機序、分子生物学、分子遺伝学

専門分野

  • 分子生物学
  • 内分泌学

科学研究費補助金

  • 脳の発達・機能に及ぼす甲状腺ホルモン作用の分子機構の解明 , 基盤研究(B),課題番号:14370324 , 2002 年 04 月 〜 2005 年 03 月
  • ZAKI −4 遺伝子を標的とした統合失調症の脆弱性遺伝子解明へのアプローチ , 萌芽研究,課題番号:16659301 , 2004 年 04 月 〜 2006 年 03 月
  • カルシニューリン調節蛋白を介した甲状腺ホルモンの骨形成・代謝に及ぼす作用 , 基盤研究(C),課題番号:19591074 , 2007 年 04 月 〜 2009 年 03 月
  • 日本建築学会賞(論文), 2004 年
  • 転写因子ARXの膵島および腸管内分泌細胞に於ける役割の解明 , 基盤研究(C) , 2011 年 04 月 〜

学術論文等

  • Ectopic expression of GIP in pancreatic β-cells maintains enhanced insulin secretion in mice with complete absence of proglucagon-derived peptides. Diabetes , Fukami A, Seino Y, Ozaki N, Yamamoto M, Sugiyama C, Sakamoto-Miura E, Himeno T, Takagishi Y, Tsunekawa S, Ali S, Drucker D J., Murata Y, Seino Y, Oiso Y, Hayashi Y , Diabetes , 62 巻 (頁:510-518) , 2013 年
  • Fertility and pregnancy-associated β-cell proliferation in mice deficient in proglucagon-derived peptides. , Sugiyama C, Yamamoto M, Kotani T, Kikkawa F, Murata Y, Hayashi Y , PLoS ONE , 7 巻 (頁: e43745) , 2012 年
  • Mice lacking the calcineurin inhibitor Rcan2 have an isolated defect of osteoblast function. , Bassett J. H. D, Logan J G., Boyde A, Cheung M S., Evans H, Croucher P, Sun X-Y, Xu S, Murata Y, Williams G R. , Endocrinology , 153 巻 (頁:3537-3548) , 2012 年
  • Isolated growth hormone deficiency in two siblings due to paternal mosaicism for a mutation in the GH1 gene , Tsubahara M, Hayashi Y, Niijima S, Yamamoto M, Kamijo T, Murata Y, Haruna H, Okumura A, Shimizu T , Clinical Endocrinology , 76 巻 (頁:420-424) , 2012 年
  • Remodeling of hepatic metabolism and hyperaminoacidemia in mice deficient in proglucagon-derived peptides , Watanabe C, Seino Y, Miyahira H, Yamamoto M, Fukami A, Ozaki N, Takagishi Y, Sato J, Fukuwatari T, Shibata K, Oiso Y, Murata Y, Hayashi Y , Diabetes , 61 巻 (頁:74-84) , 2012 年

受賞学術賞等

  • 日本甲状腺学会三宅賞 , 2009 年 11 月 04 日 , 日本甲状腺学会 , 日本国
  • 日本甲状腺学会七条賞 , 1991 年 , , 日本国

所属学会等

  • The Endocrine Society , アメリカ合衆国
  • American Thyroid Association , アメリカ合衆国
  • 日本内科学会 , 日本国
  • 日本内分泌学会 評議員 , 1990 年 04 月 〜 , 日本国
  • 日本甲状腺学会 理事 , 2003 年 04 月 〜 , 日本国

講義資料

甲状腺学と三十三年間 研究を続けるきっかけとなったいくつかの出来事

※講義資料の一部に実際の臓器の画像が含まれます


投稿日

February 15, 2017