金属錯体の理論研究から還元系金属酵素活性中心の研究へ:出会いに恵まれて

2012年度 退職記念講義

講師巽和行 教授
巽和行 教授
開講部局物質科学国際研究センター
日時2013/3/19 10:00-12:00
場所野依記念物質科学研究館2階講演室
巽和行 教授
講師巽和行 教授
開講部局物質科学国際研究センター
日時2013/3/19 10:00-12:00
場所野依記念物質科学研究館2階講演室

あわただしく充実した日々

早いもので、私も定年を迎える歳になりました。19 年に亘る名大での教員生活は、いつも何かに追われているようなあわただしい日々でしたが、大変に充実した日々でもありました。大学院重点化に大学法人化そして評価漬けによる、何か虚ろな忙しさもありました。しかし、変革期あるいは発展期にあった理学研究科および化学科の一員であったことによる昂揚、時には痛々しいばかりの昂揚に拠る充実した忙しさでした。自身の理学研究は一流であって当たり前、学科を国際的に一流にするのがそこに在籍している教授の務めであり、わが国の化学、延いては世界の化学の将来を見据えるのが化学者としての責務である、という暗黙の圧力を常々感じました。

それでも、名古屋大学理学研究科や物質科学国際研究センターは私にとってたいそう居心地の良い所でした。良い同僚や優れた学生に恵まれたのが 1 つの理由でしょう。さらに重要だったのは、我々科学者が共通の拠り所とする知の創造を謳う理学精神を共有でき、専門分野は異なっていても何かしらお互いに暗黙裡に意想が通じるように思えたことでしょう。そのような優れた教育研究環境を提供し続けてきた名古屋大学理学研究科に籍を置けたことを、ありがたくまた誇りに思っています。

名大在籍の後半では、文科省学術分科会の委員、日本学術会議幹事、国際純正応用化学連合(IUPAC)会長をはじめとした大学外での用務が多く、同僚の皆様には大変な迷惑をおかけしたことと思います。本当にお世話になりました。

講師紹介

巽 和行 (たつみ・かずゆき) 物質科学国際研究センター教授

学歴

  • 1971 年 大阪大学 基礎工学部 化学工学科 卒業

学内兼務職

  • 名古屋大学 , 名古屋大学理学研究科物質理学専攻(兼担) , 1994 年 04 月
  • 名古屋大学 , 所長(センター長) , 2003 年 10 月

専門分野

  • 無機化学

受賞学術賞

  • ザイボルト賞 , 2011 年 05 月 , ドイツ研究振興協会
  • 名誉博士号 , 2011 年 05 月 , ミュンスター大学
  • 日本化学会賞 , 2006 年 , 日本化学会
  • フンボルト賞 , 2004 年 , フンボルト財団
  • 井上学術賞 , 1998 年 , 財団法人井上科学振興財団

講義資料

金属錯体の理論研究から還元系金属酵素活性中心の研究へ

講義ビデオ

<a href=http://ocw.nagoya-u.jp/resource/2012_lastlecture_tatsumi/#index=1 target="blank">最終講義ビデオ・スライドを見る (新しいウィンドウが開きます) (Flashvideo, 1:33:23)

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投稿日

February 15, 2017