2011年度 退職記念講義
講師 | 木村宏恒 教授 | ![]() |
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開講部局 | 国際開発研究科 | |
日時 | 2012/2/10 13:00-14:15 | |
場所 | 国際開発研究科棟8階多目的オーディトリアム |
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講師 | 木村宏恒 教授 |
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開講部局 | 国際開発研究 科 |
日時 | 2012/2/10 13:00-14:15 |
場所 | 国際開発研究科棟8階多目的オーディトリアム |
熊本大学法学部の国際政治学担当から名古屋大学に転勤して 20 年が経ちました。1989 年に日本の途上国への政府開発援助が世界一の額となるとともに、語学や異文化理解だけでなく、「開発リテラシー」を持って途上国で活躍できる若い世 代を養成するために、名古屋大学に大学院だけの国際開発研究科がつくられ、創設と同時に赴任したのです。途上国の開発を国際的に支援していくために、イシューベースで国際開発という言葉があったのですが、イギリスでは 1960 年代から多学問領域複合的な開発学という学問分野ができており、国際開発研究科では、途上国の現場と学問を併せ持つという意味で国際開発学という言葉を使うことで落ち着きました(2009 年『国際開発学入門』勁草書房刊)。
私は学部/大学院で国際政治学ゼミに属し、南北問題の政治学に取り組んできました。それも、外交政策の半分以上は各国の内政で決まる。政府の最重要課題はいかに経済を発展させ、国民を豊かにするかにある。どのような地理的状況におかれ、どのような産業構造を発展させ、人材を育成し、その結果としての政府戦略と外交があるかという観点です。その結果、『インドネシア現代政治の構造』、『フィリピン:開発・国家・NGO』、『現代世界の政治経済地図』を単著で刊行し、『国際開発学入門』と、その一分野としての『開発政治学入門』を共著で刊行し、国際ネットワークを動員して『Limits of Good Governance in Developing Countries』を刊行できました。その間、多くのゼミ生にも恵まれ、博士号も 20 余名に出しました。充実した 20 年を送ることができたことに、 深く感謝します。
木村宏恒 (きむら・ひろつね) 国際開発研究科教授
Pursuing the Critical Role of Government in Development
September 05, 2012